営業時間の短縮命令は違憲 東京高裁が判決 藤井氏「非常に大きな意味がある」
8月25日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として行われてきた飲食店などの営業時間の短縮命令と自粛要請に違憲性が認められた件を取り上げた。このニュースについて、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏が寺島尚正アナウンサーに自身の見解を述べた。
データの合理性を裁判官が認めた
飲食チェーンの「グローバルダイニング」は、東京都が新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づいて発出した営業時間の短縮命令が違憲などとして、都に損害賠償を求めていた。
この訴訟の第1回の口頭弁論が東京高裁で行われ、閉廷後にグローバルダイニング社は控訴を取り下げ。これにより、時短命令の違法性を認めたうえでグローバルダイニング社の請求を棄却した一審の東京地裁の判決が確定したことになった。
営業時間の短縮命令の違法判決が確定したことについて、藤井氏は「これは非常に大きな意味があります。実際に熊本県知事は今回の裁判の判決が地裁で出た後、時短命令をするか否か問われた時に『裁判の結果は出ているが、まだ確定はしていないので我々の命令や要請を出す基準は変更しない』というような発言をしていました。少なくとも熊本県知事は、時短命令は違法だと確定したことを受けて慎重に判断するという方向に舵をきったことになりました」とコメント。続けて、藤井氏は違法が確定した意味を指摘した。
「熊本県知事がこのような発言をしたということは、全国の知事もこれまでのように命令や要請を気軽に出せなくなったことを意味しています。実際、第7波の感染者数が多いにもかかわらず、命令や要請はほとんど出ていないですよね。これは裁判所の判決が影響しているのではと法曹界で言われています」(藤井氏)
寺島アナは「違法が確定した意味というのは、今、藤井さんが指摘したところなのですね」と理解した様子を示した。
なお、藤井氏によると今回の判決で違法性が認められた唯一の根拠は、京都大学が計算したデータだという。時短命令で感染者が何人減ったのかを示したもので、その結果は0.058人という驚愕の数値。「データの合理性が裁判官に認められたことが大きい」と、藤井氏は数値の影響力の大きさについても付け加えた。
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