岡田晴恵さんが田村厚労相からラジオで話してと言われた「緊急」提言!秋冬のツインデミックに備えよ
感染症の第一人者で、公衆衛生の専門家、白鷗大学教授の岡田晴恵さんが8月22日の大竹まことゴールデンラジオに出演。現在のコロナ禍第7波はまだ「序章」に過ぎず、今後インフルエンザとコロナの「ツインデミック」がやってくるかもしれないと警鐘を鳴らした。
大竹「今日本を襲っている新型コロナウイルスの第7波は、新規感染者数で4週連続世界一、現在自宅療養している人は約142万人、死者は1日300人を超える日もある状況です。岡田さんは今日どうしても皆さんにお伝えしたいことがあるそうですね。」
岡田「今はすごく大変な状況で、毎日300人の方が亡くなって、しかも自宅で高度医療に行けない人や検査もできない人も大勢おられます。ただ、これはまだ序章なんです。」
大竹「これが序章ですか?」
岡田「振り返ってみればこの2年間、夏に流行し冬にはもっと大きな流行がありました。その繰り返しでだんだんベースが大きくなってきています。ですから私たちは今、もう冬のことも考えた対策を行政などにやってもらわなければいけない状況にあるんです。そして去年と違うのは、今年の4月ぐらいから冬に向かうオーストラリアでは、インフルエンザが急速に流行して、インフルエンザとコロナの「ツインツインデミック」になり、死者数が最多になったんです。そして南半球で起こったことは、半年後に北半球で同じことが起こるのは教科書レベルの話です。ですから危機管理としてはオーストラリアのことを教訓として、10月以降にインフルエンザが流行するかもしれない、そしてコロナも高止まりしてまた新たな変異株が出るかもしれない、この日本でも「ツインデミック」が起こるかもしれない、さらに今までの流行よりも大きくなるかもしれないことを想定した上で、今から準備をしなければいけない状況にあるんです。」
大竹「巷では、コロナのおかげで、みんなが手洗い、うがい、マスクをするようになり、インフルエンザはあんまり流行ってないと言われて、「ああ、そうなのかな?」という感じになっていると思うんですけど、そうじゃない?」
岡田「そうじゃないと思います。やはりオーストラリアで起こったことは、日本でもこの冬に起こる可能性があると思って少なくとも準備はしなければいけません。このあいだ日本感染症学会など4学会が「受診の目安」を出しましたよね。医療機関で受診するのは、37.5度以上の発熱が4日以上続く場合などというものです。」
大竹「また昔に戻りました。」
岡田「でもインフルエンザは48時間以内に検査してタミフル飲ませます。だからインフルエンザが流行したら「受診の目安」はどうなるのか考えると役に立たない。そこで今やるべきは検査体制をちゃんと拡充することです。インフルとコロナをちゃんと検査して、医者が診て危なそうだと思ったらちゃんとCTが取れて、この人は自宅、この人は病院とトリアージがやれるようなシステムを用意する。昨年、菅・前総理が1日100万件のワクチン打ったあれと同じシステムで、検査と発熱外来をやる準備を秋冬に向けてしておかないと、今以上のことが起きる可能性があります。」
大竹「そうなったら、どの世代が一番大きな被害を受けるんでしょう。
岡田「インフルエンザで重症化するのは、高齢者、乳幼児、妊婦です。65歳以上の方は、国の定期予防接種でインフルエンザワクチンが打てます。しかし乳幼児にはそのような枠にはないわけです。もう一つ考えてほしいのは、ここに2~3年、インフルエンザの流行はありませんでした。ということは、インフルエンザに一度もかかったことのない子どもたちが溜まっているんです。子どもにとって初めてのインフルエンザは初めての受難で、それ乗り越えていくために医療が必要です。そこで10月ぐらいからワクチン打つわけですけど、国民の理解をもって、なるべく元気な世代は子どものためにワクチンを回してあげる相互理解が大事になると思います。また、子どもがインフルエンザで重症になると「インフルエンザ脳症」という怖い病気もあります。冬に向けて小児科感染症の病床を用意をしておかないと、いざという時 子供さんに被害が出る可能性があるんです。実は昨日、田村憲久厚労大臣から私、お電話をいただきました。これは非常に大事な問題で、厚労省にも言っていて非常に緊急性を要するので本当なら今日、総理に言うはずだったそうなんです。それが総理がコロナになりドタキャンになったけど、これは国民にも理解が必要だとおっしゃっていました。そこで私が明日、大竹まことさんのラジオ番組に出ますといったら、そこで言ってくれと頼まれていたんです。」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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