新築住宅に太陽光パネルを義務化? 東京都が検討 賛否割れるパブリックコメント

新築住宅に太陽光パネルを義務化? 東京都が検討 賛否割れるパブリックコメント

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東京都が一戸建ての住宅を含む新築の建物に、太陽光パネルの設置を住宅メーカーなどに義務付ける制度の導入を検討している。8月22日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏と寺島尚正アナウンサーがこの問題について議論した。

「国がやらないから…」と東京都幹部

太陽光パネルの設置を住宅メーカーなどに義務付ける制度について、東京都は年内にも条例改正案を都議会に提出する構えだ。ただ、この条例が通ると100万円程度の設置費が住宅価格に上乗せされる懸念も根強く、パブリックコメントでは賛成が5割を上回る一方、反対も4割を超えており、導入の是非が問われている。

寺島アナが「かつて政府も太陽光パネルの設置義務化を検討していましたが、地域や立地などで発電効率に格差があり、一律の義務化は無理がある」という慎重論を受けて導入を見送っていました。東京都の幹部は『国がやらないから都がやらなくてはならない』と話していると言います」とニュースを続け、上念氏に意見を求めた。

「これね。国が結論を出してるじゃないですか。その通りですよ。技術的に『地域や立地などによる発電効率の格差』は解消されてるんですか? それから太陽光パネルは公害の原因になるようなものも使われていたりしますので、劣化して壊れた時のリサイクルの仕組みとかもちゃんと考えて、トータルで環境にいいのかも議論しないといけないと思います」と、上念氏は厳しく指摘した。

東京都が公表しているパブリックコメントでは、「設置費が住宅購入費に上乗せされ、負担が大きくなる」など資金面に関する不安が目立った。

その一方で住宅購入者の関心は高く、電力受給が逼迫する事態に備える人も増えていると見られていて、「電気代の高騰が懸念される現状を踏まえれば、太陽光パネルの設置を進めることは有用」という専門家の指摘もある。

常葉大学の山本隆三名誉教授は「太陽光パネルの設置促進は火力発電所の利用率低下と休廃止を招き、結果的に太陽光が使えない時の停電危機を高める」と批判。「一般住宅の屋根の面積では設置コストに見合う二酸化炭素の削減量は期待できない。あらゆる面で設置義務化のメリットを感じられない」としている。

これに対し上念氏は「山本先生のおっしゃる通りですね。太陽光発電の問題は前から出てますけど、陽が出ていないと発電しないので、結局火力発電のバックアップが必要なんですよ」と締めくくった。


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