ダフ屋で稼いだ暴力団が解散 時代の変化に耐えられず弱体化も、別の転売ヤーが跋扈
今年7月、東京浅草を拠点とする暴力団が組織の解散を通知していたことがわかった。8月12日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では金曜コメンテーターで郵便学者の内藤陽介氏と寺島尚正アナウンサーがこのニュースについて議論を展開した。
「アップデートできなかった人たちには退場していただく」
この暴力団はプロ野球のチケットなどを転売するダフ屋稼業を都内でほぼ独占していたが、近年では思うような収入を得られていなかったことが、解散の理由のひとつと見られている。
過去には有名アイドルのコンサートやスポーツの試合などがあると、アルバイトを雇ってチケットを買い占めていたという。こうして仕入れたチケットは会場付近で高値で転売し、利益を得ていたとされている。
しかしコロナ禍になってからは各地でお祭りやコンサートなどのイベント自体の中止が相次ぎ、チケットの転売や、夏祭りなどで露店を出すテキ屋でも稼ぎが減っていたようだ。また、近年ではチケットはインターネットで購入することが一般的となり、転売しにくい電子チケットが広まったことも影響しているようだ。
「時代の波に飲まれた暴力団、なんていう表記もあるんですけども、内藤さんはこれどうお考えですか?」と寺島アナがニュースを締め括り内藤氏の考えを聞いた。
「反社の人たちというのはやっぱり時代のトレンドに一番敏感じゃないといけない人たちですから。その中で法律の盲点だったり、人々の欲望だったりの隙を突いて儲けていくわけじゃないですか。そうするとチケットをネットで買うのが主流になった時代にダフ屋は辛いですよね。営業スタイルとして。アップデートできなかった方々は退場していただくしかありません」と内藤氏は暴力団が時代の波に対応できなかったことを指摘。
一方でフリマサイトでは転売対策がイタチごっこ化している。人気ゲーム機などが買い占められて高値で販売されており、本当に欲しい人に行き届かない状況になっており、それを職業とする人を転売ヤーなどと読んでいる。
「今でこそ転売ヤーと言われていますけども、このテの人たちは昔からいるんですよ。それこそ私の専門の切手でも、切手ブームの時には郵便局に並んで買い占めて業者さんに高く買ってもらう人たちがいました。そういう人気のものっていうのはどうしても群がってきちゃうんですよ。ネットを見ると転売ヤーが爆死した事例がたくさん紹介されていますので、ゲームメーカーなどで対策を取っていただくのがいいと思います。例えば買い占められたゲームソフトを追加でバンバン売るとかですね。でもこういう人たちはいなくならないですよ」と転売の話題に対しては内藤氏は頭を悩ませた。
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