「国民1人あたりの国の借金1005万円」はフェイクニュース? 藤井聡氏「デマ」と財務省バッサリ
財務省は8月10日に『国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(令和4年6月末現在)』を発表した。8月11日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、この話題の流れから、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが「国民一人当たりの借金フェイクニュース説」に踏み込んだ。
「政府にお金を貸しているのは国民」
財務省によると、国債と借入金、政府短期証券を合計した国の借金が6月末の時点で1255兆1932億円。前回発表の3月末時点より13兆8857億円増え、過去最大額を更新した。また、7月1日時点の総務省の人口推計は1億2484万人で、借金の額をこの数値で割ると国民一人あたりおよそ1005万円になるという。
このニュースについて、藤井氏は「国民一人当たりの借金」という説明に別の視点を説明する。
「先方が100回、1000回、1万回とこういうデマを流すので我々もその10倍の数で『デマ』と言い続けることが重要な種類のニュースです」と財務省の説明を一刀両断する藤井氏。
「例えば仮に、僕が1255兆円の借金があったとして、国民全体の人口でそれを割って『国民一人当たり1000万円以上の借金がある』と言ったとしましょう。すると皆は『アホかお前』と言いますよね。『お前の借金だろ』と。(財務省の言う国民の借金の話は)そういう話なんですよ。政府という1つの組織が1255兆円の借金をしているのであって、それは国民ではないということですよね。むしろ国民がこの借金を(政府に)貸しているんですよね、厳密には日本銀行や金融機関などなんですけど。1255兆のうち相当部分を国民が貸しているのに、何故貸している側が返さなあかんみたいなことになっているのかという話です」(藤井氏)
藤井氏の説明に対し、寺島アナは「毎回この話が出てくるので、増税して借金を減らすのかみたいに捉えかねないですよね」とコメント。
続けて、藤井氏は「『これだけ大変なんだから借金をしたらあかんと。だからできるだけお金を使うのを辛抱しなあかん』という脅しを財務省はかけようとしています」と財務省の意図を伝えた。
なお、仮に借金を0円にしなければならないという前提があり、そのために国民からその分のお金を吸い上げるのであればこの言説(国民一人当たりの借金説)は正当化されると藤井氏は解説するが、それは同時に国民がお金を失うことになるため、普通の国家であれば決して実行してはならないことだと釘を刺した。
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