『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 マンション派の夫、戸建て派の妻……。はたして、どちらを購入するべき?

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 マンション派の夫、戸建て派の妻……。はたして、どちらを購入するべき?

Share

情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2022」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定コラム。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。

マンションか、戸建てか・・・悩みます

2022年7月23日の放送では、住宅購入に悩む「マンション大好き」さんからメールをいただきました。

★メールのまとめ
・住宅購入、戸建て? マンション?
・私はマンション派、妻は戸建て派
・なんとか妻を説得したい

★メール全文
住宅購入を考えています。が、大きな問題が。
私はマンション育ちで集合住宅に住んだ経験しかありません。
当然、買うならマンションしかない、と思っております。
ところが妻は戸建てで生まれ育ち、
買うなら当然一戸建て…と譲りません。
しかし無精者の私は、様々なメンテナンスとか、
近所付き合いとか、いろいろ考えると
購入するならマンションしか考えられません。
大垣さん、何かうまく妻を説得する方法はないでしょうか。
(マンション大好きさん・千葉市・40歳)

思い切って、妻を尊重するのも一手

最初に謝っておかなければいけないのですが、私はむしろこのメール、むしろリスナーさんを説得したいと思っています。

リスナーさん、思い切って戸建てにしてみませんか。

というのも、家は長い期間を過ごす、家族のための場所です。

仮に、奥さまの意見を押し切ってマンションに住んだとしましょう。
住み始めてから、何かしらの問題が出てきたとして、責任は全てあなたにいくはず。
「だから言ったのに。私は戸建てが良かった」と、トラブルのたびに文句を言われるのは、リスナーさんにとっても、そして奥様にとってもつらいことでは。

女性は男性よりも、家にこだわりを持つ傾向があります。
とすると、リスナーさんが戸建てに住むときは許せるであろう「些細なこと」が、マンションに住むことになった奥様にとっては「重大な欠陥」に思える可能性も。

家を買うのは、お二人が今よりももっと幸せになるため。
家庭内平和のためにも、ここは奥様の意見を尊重されてはどうかと思うのです。

マンションにも戸建てにもメリットはある

もちろん、マンションも戸建てにも、どちらも良い点・悪い点があります。

マンションのメリットは、
・敷地の比率が低いので、それだけ地価の高い都心に住める
・戸建よりは頑丈で資産性も高い
などでしょうか。

一方、戸建てのメリットは
・土地が持てる
・間取り等の自由度が高い
など。

戸建てとマンションでどちらがより優れているということはなく、何を優先するかによって答えは変わってくるかと思います。

ちなみに、リスナーさんは、マンションのメリットにメンテナンスの簡単さを挙げていますが、これはケースバイケースかも。

マンションは大規模修繕になると、住人の合意が必要になります。規模が大きいマンションであればあるほど、合意を取り付けるのが難しくなったり、「幽霊住民」が出てきたり。

自分のタイミングで修繕ができないストレスはあるかもしれません。

定年退職後にもう一度移住する手も

折衷案ではないですが、今回は戸建てに住んでみて、お互いの定年退職後、マンションに移住する……なんて選択肢もあります。

人生100年時代。40歳で購入される住宅が「終のすみか」になることのほうが、むしろ珍しいのかも。

今このとき、家族が一番幸せでいられる動きかたは何か。
そして、それを実現する家はどんなものか。
そこを念頭に置きつつ、住宅購入を検討されてみてはどうかと思います。

また進展があれば、ぜひご連絡ください。
メールをお寄せいただき、ありがとうございました。

大垣尚司 プロフィール

青山学院大学 法学部教授、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構代表理事。

第一線で培った金融知識をもとに、住宅資産の有効活用を研究・探究する、家とお金のエキスパート。

東京大学卒業後、日本興業銀行、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン社長、立命館大学大学院教授などを経て、現在、青山学院大学法学部教授。
2006年に「有限責任中間法人移住・住みかえ支援機構」(現、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の代表理事に就任。
日本モーゲージバンカー協議会代表理事を兼務。著書に『ストラクチャードファイナンス入門』『金融と法』『49歳からのお金ー住宅・保険をキャッシュに換える』『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』など。

家とお金に関するご質問、お待ちしてます

番組では、家とお金にまつわるメールやご質問をお待ちしています。
宛先は、otona@joqr.net まで。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介しています。必ず最新の情報をご確認ください。

お知らせ

パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

Share

関連記事

この記事の番組情報


大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

土 6:25~6:50

楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…

NOW ON AIR
ページTOPへ