新谷仁美選手を指導する横田真人コーチに世界陸上オレゴンのことを訊きました~ Track Town JPN
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陸上競技の聖地オレゴンで開催された世界陸上オレゴン2022
直前まで順調に調整が出来ていた新谷仁美選手(積水化学)はコロナ感染のため、7月18日女子マラソンのスタートラインに立つことは出来ませんでした。
新谷仁美選手を指導する横田真人コーチ(TWOLAPS TCヘッドコーチ)に、帰国後の7月28日に改めていろいろお訊きしました。
レース直前にコロナ感染。無念の欠場
西本:まずは無事帰国されてホッとしています。
横田:隔離中に滞在していた部屋にテレビが無かったので、その後の世界陸上見られてないんです。ウォルシュジュリアン選手(富士通)の走りが凄かった男子マイルリレー見たかったです。
西本:女子マラソン前々日5キロ刺激走の時にお会いました。
横田:あの日は刺激走のアップ時から新谷さんと喧嘩してたんです。スタート地点を若干移動したら、新谷さんが曲がる箇所とか、折り返す地点がわからないと言ってキレながらアップから帰ってきてたんです。そんなピリピリムードのまま刺激走スタート。そして途中の給水でボトルの取っ手が吹っ飛んで給水取れない事件勃発。そんなことがありながら終わった後、調子が良かったからなのか、新谷さんの機嫌が良かったんです。
※写真はEKIDENNews西本武司さん
西本:お二人と別れた直後に、マラソンの鈴木健吾・一山麻緒両選手がコロナ感染したというニュースを聞いてびっくりしていたら、横田さんから「西本さん大丈夫?」という連絡頂きました。それ以降、横田さんとは音信不通状態。症状はどのくらい出たんですか?
横田:新谷さんは熱と咳。僕は喉の痛みくらいです。日本だったら病院に行かないレベルでしたけど。でも新谷さんの症状と、既に陽性反応出ていた方々とお会いしていたので、(検査前の段階で)感染してると思いました。男子マラソン出場の星岳選手を応援しに来ていた帝京大学中野監督とすれ違ったんですが、ちゃんとご挨拶しなきゃいけないのに(移したらマズいと)離れてご挨拶した程でした。
西本:レース前は今までにないくらいリラックスして明るい新谷さんでした。一緒にポートランドに行ったり。今だから言いますけど、出場出来ていたらどんな走りをしたんだろうと思います。
横田:当日に向けて調子とかコンディションがグイグイ上がって来てて、追い込んで最終的にコンディションを戻していくという調整をしていた東京マラソンの時とは違う感じでした。実は今回、ベースのトレーニングはあまり出来ていなかったんですが、東京マラソンと違った新谷さんが見られると思ってました。そして新谷さんは気持ち的にもリラックスした様子で集中出来ていました。あの大迫傑選手が言うノイズが無い状況で臨めていたのかも。新谷さんはこのような状況で走ったことが無いので、走ったら結果どうなるんだろうと、そういう意味でも楽しみにしていました。
西本:明るく天真爛漫、アメリカ人みたいに新谷さんなっていましたよね。アメリカが合っているですかね?
横田:本人は海外嫌いって言ってます。ずっと居るのは嫌なんでしょうね。でも海外のレースは向いているんだと思います。海外のレースは本当に強いですからね。そして外さない。海外は集中出来ているのかも。アジア選手権、ドーハ世界陸上もそれなりに結果出しました。そしてハーフマラソン日本記録(1時間6分38秒)を出したヒューストン。その後のオーストラリア、ニュージーランドと海外のレースは本当に強いですね。
西本:レース前会見で大仏のように走りたい発言にはびっくりしました。多分、仏様?菩薩?悟りの境地に入ったことを言いたかったんでしょうね。どの境地にたどり着いていたのか?その走りは次回のレースのお楽しみにということで。
※写真はEKIDENNews西本武司さん
今後に向けて
西本:ご本人は次回の向けて走る気持ちとかあるんですか?もう一回走る気持ちになるのは時間掛かりそうですか?
横田:次のレースについては今の段階では全く決めてないです。新谷さんは秋にマラソン走るタイプでは無いです。秋はトラックとか、ロードの短い10キロとかハーフとか出られたら出て、来年1月のヒューストンマラソンかなと思っています。東京マラソン走って、オレゴンのコースも見て、本人はヒューストンのコースがフラットで走りやすいと思ってるようですし。女子マラソンアメリカ記録も出たコースですからね(※2時間19分12秒 2022年ケイラ・ダマート)
新谷仁美選手を指導する横田真人さん(TWOLAPS TCヘッドコーチ)と、西本武司さん(EKIDENNews)、柏原竜二さん(富士通株式会社)、加納由理さん(ランニングアドバイザー)の4人で世界陸上オレゴンを振り返っている「Track Town JPN」は聴くならこちらから。