福島第一原発の設備工事計画が発表 処理水放出に一歩前進も藤井聡氏「流したら文句言われる」
8月4日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、東京電力ホールディングスが発表した福島第一原発の処理水放出に向けた設備工事の計画について、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏が寺島尚正アナウンサーに意見を求められた。
「官邸としては先延ばししたいことでしょう」
東京電力ホールディングスは8月3日に福島第一原発の設備工事の計画を発表。工事は8月4日から開始される計画で、海底トンネルの掘削やタンクを繫げる配管設置など、廃炉作業に向けて必要となる処理水の放出を進める。工事の完了予定は当初2023年4月中旬とされていたが、同年夏頃までズレ込む可能性もあると発表されている。
なお、福島第一原発の廃炉の作業では溶融燃料(デブリ)などが発生するため、それらを安全に保管する広いスペースが必須となる。処理水の保管に使うタンクを減らし、敷地内にゆとりを作れるかどうかが焦点となっている。
このニュースについて、藤井氏は「先延ばしするのはどういうふうにするかわからないですよね。(処理水を)流したら文句言われるから、官邸としては先延ばしできるものなら先延ばししたいですし、現場のことについては知ったことではないでしょう」と、官邸側の本音が伺えると指摘。
また、処理水の放出が遅れることで既存のタンクが溢れてしまうのではないのかという懸念も広がるが、海洋放出のスタートが少しずれ込んだとしても処理水が溢れる事態は避けられるようだ。
「(処理水のタンクに)余裕があるので、もう少し検討しようかということですよね。岸田総理が『僕批判されたくない』ということ。岸田さんだけがそう思っているわけではなく、(官邸)皆がそう思っているのかもしれませんが」(藤井氏)
政府の思惑を推測する藤井氏に対し、寺島アナは「原子力発電については、電力供給という意味でも改めて考えなければいけないですよね」とコメントした。
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