米国で生活必需品銘柄の株価が下落 嶋津洋樹氏は指摘「個人の嗜好の変化にウォルマートもついていけない」
米国で生活必需品を扱う銘柄の株価が急落している。7月28日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、このニュースについて、木曜コメンテーターでストラテジストの嶋津洋樹氏が寺島尚正アナウンサーに意見を求められた。
問題は「インフレ率の高さ」だけではない?
インフレが加速する米国では、消費者の節約思考が一段と高まっている。携帯電話や日用品にまで影響が出始めており、GDP(国内総生産)の7割を占める個人消費の動きを受けて「賃上げで堅調」という前提が揺らぎ、投資家が警戒を強めている。
嶋津氏は米国の現状について、問題ばかりではなく賛否両論があることを指摘する。
「賃上げが続いていることについて、景気は悪くないとの意見があります。米国政府はパンデミック期間中にいろいろと給付金を出しているので、そういったものが(消費者にとって)下支えになっているという見方があります。一方、記事では“投資家が警戒を強めている”という話をしています。物価が非常に上がっている中で早いペースの利上げをしているので、金利が上がってくると住宅ローンの支払いが厳しくなってきたり、アメリカ人の場合は自動車のローンやクレジットカードで多額の借入をする家計も多いため、そういうところからの影響が出てくるだろうと警戒していますよね」(嶋津氏)
企業はコロナ禍のサプライチェーン停滞を受け、世界的に在庫の積み増しをする傾向にある。物が手に入りにくい状況にあれば調達できるうちに売れ筋を調達するというのは合理的だが、個人の嗜好の変化の速さについていけてないという現状もある。
嶋津氏は、「インフレ率が高いので、所得の低い人たちが厳しい状況になっている」というマーケットの見方とは別に、流通側の問題もあるのではないかと指摘した。
「個人消費の売れ筋に対して在庫を積みあげられれば良いんですけど、最近、個人の嗜好が週替わりで変わっていて、米国のスーパーマーケットチェーン、ウォルマートみたいなハイテクで分析した企業でも(その変化の速さに)追いついていない状態です」(嶋津氏)
売れ筋を在庫に積み上げたつもりが売れなかったということか。株価下落には複合的な要因があるようだ。
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