医師の人手不足に備え、看護師や薬剤師と「タスクシェア」 森永康平氏は「小手先の話」と課題指摘

医師の人手不足に備え、看護師や薬剤師と「タスクシェア」 森永康平氏は「小手先の話」と課題指摘

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厚労省が近くまとめる「厚生労働白書」に、医師や薬剤師を含む医療分野の「タスクシェア」などの改革が必要と明記されると日経新聞が7月27日に報じた。7月27日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)ではこのニュースについて、水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏が寺島尚正アナウンサーに意見を述べた。

医師の負担軽減策は今後の検討課題になりそう

「タスクシェア」とは、看護師や薬剤師などの業務範囲の拡大や連携によって、医師の業務負担を減らす手法だ。背景には、2040年には96万人にのぼるとされる、医療・福祉分野の人手不足がある。医師が看護師や薬剤師などに一部業務の移管をする「タスクシフト」という手法もある。

医療の仕事は法律で担い手が決まっており、例えば看護師は原則医療行為をすることはできない。この件について寺島アナが意見を求めると、森永氏は「人材不足があるのでやるべきなのかもしれないのですが」としつつも、現状では厳しいルールがあることで医療の質が担保されている側面もあると指摘する。

「例えば、医師になるためには国家試験を受かってなければいけないとか、看護師の資格を持っているだけだと医師のような治療行為ができないとか、そのルールが質の担保につながっているということを考えれば、単純に“人手不足なのでみんな全部同じことできるようにします”というわけにはいかないよね、ということころがあります」(森永氏)

続けて森永氏は、タスクシェアについて、人手不足の解消策としては「あくまで小手先の話」とし、就労状況の改善に根本的に取り組む必要があると指摘した。

「お医者さんとかだと、勤務時間も普通の会社員に比べれば明らかに不安定。長時間労働になりがちだったりもするので、中長期的な話をすると待遇面や賃金だけでなく、就労状況の改善ということをしないと、小手先だけの解消で終わるんじゃないのという気がします。有事のときなどは、特例的に“こういう場合のみタスクシェアしても良い”というように、ルールとして国が定めておいたほうがいいと思いますね」(森永氏)

とはいえ、人手不足が深刻化する中で「就労状況の改善」をするためのタスクシェア、タスクシフトなのだが…。医師の負担軽減のために何ができるか、今後の検討課題になる。

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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