日銀審議委員に「非リフレ派」就任 田中秀臣氏「岸田さんの金融政策に対する理解度の低さが鮮明になった」
日本銀行は7月25日、日銀政策委員会の審議委員に、元岡三証券グローバル・リサーチ・センター理事長の高田創氏(63)と、元三井住友銀行上席顧問の田村直樹氏(61)を任命したと発表した。この人事は7月24日付で内閣から発令された。7月26日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)ではこのニュースについて、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏が寺島尚正アナウンサーに意見を述べる場面があった。
「退任した片岡さんは、私や上念さんと同じ“リフレ派”だったけど」
今回の人事は、積極的な金融緩和を主張する「リフレ派」のエコノミストである片岡剛士氏ら2人の後任として、岸田政権発足後初の任命として注目されていた。高田氏は大規模な金融緩和の弊害を指摘する「非リフレ派」で、政策転換への布石と見る声もある。
来年春には日本銀行総裁と副総裁の人事も控えている。このニュースについて「積極的な財政政策と金融政策」が持論の田中氏は、否定的な見解を述べた。
「高田さんは、国債暴落論や金融緩和が行き過ぎることによる弊害などについて、ずっと主張していたイメージがあります。なので、この人事案が出たときに、岸田さんの金融政策に対する考え方の理解度の低さが、より鮮明になったと思いました」(田中氏)
さらに田中氏は、今回退任した片岡氏が当時の安倍首相にいかに信頼され、期待されていたかを示すエピソードを明かした。
「片岡さんが任命された5年前、安倍元首相が辞令交付を『自分の手で渡したい』と言って、時間を調整して実際に手渡したんですよ」(田中氏)
しかし後任の高田氏は、片岡氏が主導してきた政策にブレーキをかけるよう発言してきた人物。田中氏は、政策転換を予告するような今回の人事に不安が拭えないようだ。
「片岡さんは私や上念さんと同じく、デフレ脱却をし、インフレ目標を達成することで経済の安定を達成するという考え方を持つ“リフレ派”の人です。対して、高田さんはどちらかというと、リフレ政策に否定的な価値観を民間にいるときに唱えていたので、真逆な人事に思えますよね」(田中氏)
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