音読上手は会話上手? 堀井美香さんが語る、言葉を声に出すことのメリットとは
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、7月25日はフリーアナウンサーの堀井美香さんが、重藤暁の代理を務めた。特集コーナーもその経歴や活動にちなみ、「音読」にスポットを当てた。
堀井さんは朗読会を主宰、音読にまつわる著書も発売している。音読をすることのメリットについて、こう語る。
堀井美香「本を読むのは好きだけど音読はなかなかしない、苦手、という方はたくさんいる思うんですけど。文章を声に出して読むことで、息継ぎとか間合いとかがわかってくる、というところですね。普段の会話でも間があまり怖くなくなってくるというか」
西川あやの「間が怖くて……埋めちゃいますね(笑)。音読すれば、そういうことを考えられるようになりますか?」
堀井「そうですね。自分のテンポで読んじゃうときって、すごくせかせかと気持ちがいっているし。演出家の先生に見ていただくと『もうちょっと待って』『待てない?』という方がいて。それって会話と一緒で、『しゃべらなきゃ』と思うとカブせてしまう。(音読をおぼえると)もうちょっと待つということができるようになるかもしれないですね」
西川「山内さんは小説家で、書き手のプロフェッショナルです。声に出しながら書く、ということはありますか?」
山内マリコ「ときどき、興が乗ってきたら、という感じです。クライマックスのときにひとりでボソボソ……ということはあるんですけど、基本的には黙読で。推敲するときには、声には出していないけど心の中で読み上げながらスムーズに整えていく、みたいなことをしています。でもしょっちゅう声に出すということはしていませんでした」
西川「黙読する中で文章のリズムをつかんで、ということはあるんですか?」
山内「そのとおりで、読み返して、心の中でつっかえたり、読み心地が悪かったりするところを直していく。やっていることは音読と近いものがあるんじゃないかと思います」
堀井「記者の方も大きな声でニュース原稿を音読しているのを見ますね。周囲の人に聴いてもらって間違いを指摘してもらう、というのもあるんですが、読んでいるとやはりおかしいとか、耳に変な感触が残るのを削っていく作業だとも聞きました」
西川「社内でメール打っている先輩も声に出している方、いますね。文章を読むときのリズムって重要で、そのことが結果を左右することあるな、と思います。本当はLINEなんかも音読したほうがいいんでしょうか?」
堀井「LINEもチャットもそうですけど、文字だけだと感情がわかりづらいので音声チャットでやっている会社も多いですね」
このあとは音読の実践編として、番組構成作家による、宮沢賢治『雨ニモマケズ』の朗読をオンエア。これを受けて堀井さんがお手本を……という趣旨だったが、作家の朗読が予想以上にうまく、ダメ出しどころか絶賛される、というハプニングも起きた。もちろん堀井さんの朗読も披露されたので、radikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
音声を使うSNSが増え、ますます「言葉を声に出す力」が大切になってくるかもしれない。堀井さんはこういった見解を示す。
堀井「音声によって親密さができるというか、文字のテキストだと無理なところをちゃんと表現できるものなので。テキストチャットをやめて音声で会議しよう、というところもあるので、音声の力って必要になってきますね」
山内「ポッドキャストも昔からあったメディアですけど。ここ数年、特に『OVER THE SUN』(ジェーン・スーさんと堀井さんの番組)が始まった辺りから、またビッグウェーブが来ていますね。この番組のコラムも配信しているし、流れは加速していくんじゃないかなって。一般の方でも声を出して発信するというのが当たり前になってくるのかなと思います」
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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