すべての学問は哲学に通ず!? 永井玲衣が改めて「哲学研究」を解説
7月13日の「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)は「哲学研究」を特集した。番組開始から3ヶ月が経過したいま改めて、哲学研究者である永井玲衣に、大島育宙、西川あやのから様々な疑問・質問が向けられた。
大島育宙「いわゆる研究者でいうと、文系でいえば文献を読み込み、ここにこう書いてあるので、これをつなぎ合わせると論が出ます、みたいなことを日々やっている。理系だとこういう実験を重ねた結果、こういう法則が出る、みたいなのがゴールだと思うんですけど。哲学は何をどうしたら、研究したことになるのか……」
永井玲衣「正直、知りたい(笑)。哲学って幅が広すぎるんですよ。根本原理を問う学問なので。哲学の研究会や学会といっても様々なんです。例えば美学……美に関わる研究をしている人もいれば、いわゆる理系っぽい数式とか書く人たちもいて。本当にいろいろ研究の進め方があるんですけど、大島さんが言うような『文献を読み込んで、新たに解釈をして論文を書いたり、それを学会に出して雑誌に載せたり』というのがメインですね」
リスナーから届いた「哲学って美学とは違うのでしょうか? よく『男の美学』とか言いますが」という質問メールも紹介した。
大島「学問の美学と日常会話の美学がありますね、『哲学』も(笑)。『人生哲学』みたいなの、学問とは違いますもんね?」
永井「そうなんですよ、社長哲学、俺の哲学みたいなのは(学問とは異なる)。で、哲学研究における『美学』とは『美』そのものを問う学問、というイメージですね」
西川あやの「美しいってどういうこと……」
永井「美しいと感じるってどういうこと、とか。対象そのものに『美』が内在しているのか、自分自身が『美』と判断しているのか。そのようなことを考えるのが美学でもあります」
大島「こっちの心の動きなんかを科学的に考えると『心理学』とかになる? そこの境目はボンヤリしている?」
永井「そうです。ボンヤリしていていいと思いますし、哲学は万学の女王ともいわれます、すべての学問の基礎なんですよ。根本原理を問うものだから、経済だって政治だって、あらゆるものに哲学が流れている。融通が利くから哲学に来る、という人もいます。汎用性が高いからって」
大島「高校の先生に曲者が多くて。なんの先生だったかな、いろんな学問の名前を黒板に横並びで一列に書いて。『生物学を突き詰めると化学になり、化学を突き詰めると物理学になり、物理学を突き詰めると数学になり、数学を突き詰めると哲学になる』と思っています、みたいなことを書いていたのを憶えているんです。間違ってはいないですか?」
永井「間違っていない! かつての哲学者って数学者だったり天文学者だったり物理学者だったり、他の学問との横断的な役割を果たしていたので。すごく接続しやすい学問ではありますね。哲学ってそれ自体が孤立してキラキラしているのではなくて、必ずどこかに流れている、というものだと思っています」
西川「ちょっとずつわかってきましたね……」
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。