自民党 参院選大勝もいばらの道の幕開け~ 7月12日ニュースパレード山本香記者取材後記

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文化放送をキーステーションに全国33局で放送中「ニュースパレード」(毎週月曜日~金曜日午後5時00分~5時15分)

その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。昭和34年の放送開始以来、全国のラジオ局の強力なバックアップで、特派記者のレポート、取材現場からの中継など、今日最も重要なニュースを的確に把握し最新情報を伝え続けています。

文化放送報道記者として国会、官邸を担当し、日夜取材活動で活躍する山本香記者が放送でお伝え出来なかった話題を取材後記としてお届けします。

過去の取材後記はこちらから
https://www.joqr.co.jp/qr/program/newsparade/

自民党 参院選大勝もいばらの道の幕開け

参議院選挙で大勝した自民党。しかし、岸田総理は依然、硬い表情のままだ。8日に奈良市内で街頭演説中に銃撃された安倍元総理の死亡から2日後。とても笑顔を見せる心境にないのだろう。今回の選挙を乗り切った後、衆議院を解散しなければ次の参議院選挙まで国政選挙がないことから、岸田総理がやりたい政策にじっくり取り組むことができる「黄金の3年間」を手に入れたという見方もあるが、永田町では黄金どころか「いばらの道の3年間」という声がほとんどだ。岸田総理の自民党総裁としての任期は残り2年余り。次の総裁選挙に出馬するつもりがなければ別だが、そんな姿勢を垣間見せたとたん、求心力は一気に低下し、結果、手足を縛られた状態に陥ってしまうからだ。求心力を保ったまま2年後の秋を迎えるためには、解散、人事、そして支持率の3つの要素をうまく使い分け、味方につけるしかない。

内閣支持率は選挙後、共同通信の緊急世論調査で63.2%と前回6月の調査と比べて6.3ポイント上昇した。しかし、この先も高い支持率を維持するにはあまりにも先行きが暗すぎる。選挙から一夜明けた11日に開いた記者会見で岸田総理は現在の日本の状況について「戦後最大の難局」と表現した。物価高に加え、円安、安全保障など待ったなしの課題が目の前にあり、その一つ一つにまさに真剣勝負で取り組まなければ克服することはできないからだろう。少しでもかじ取りを間違えれば、その批判は直接支持率に跳ね返るのは明らかだ。さらに、年末にまとめる防衛大綱など防衛三文書、その先にはNATOのGDP比2%程度増額の議論も待っている。岸田総理は額について「6兆円の後半から7兆円を視野に増額」との考えを示しているが、財源論については未だ、はっきりしない。積極財政派の安倍元総理は、国債で賄うべきだと主張していたが、その安倍元総理が亡くなったことで、本来は緊縮財政派の岸田総理には増税という選択肢も現実的になってきた。上がり続ける物価に加え、増税となると世論の目は厳しくなるのは想像に難くない。

総裁選挙に再出馬するつもりがあるならば、これからの2年間は求心力維持に腐心する機関となるだろう。かつて佐藤栄作元総理は「総理大臣の権力は解散すればするほど強くなり、改造すればするほど弱くなる」と言っていた。3年に一度めぐってくる参議院選挙も同様、党の顔として国政選挙にどんな勝ち方ができるかがかかっているともいえる。安倍元総理も、衆参合わせて6連勝したからこそ、8年8カ月も宰相の椅子に座り続けることができたのである。

新たな戦いに突入した岸田総理、戦いすんで・・・とはいかないようだ。

 

 

「ニュースパレード」は「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」内、平日午後5時~5時15分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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