税収が2年連続過去最高額を更新、しかし歳出の半分も賄えず 森永氏「税収の中で全てを賄おうとする理屈がおかしい」
7月6日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、2021年度の税収が過去最高額を更新したというニュースについて、寺島尚正アナウンサーと水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏が意見を交わした。
物価高で消費税増える状況にも疑問呈す
財務省は7月5日、2021年度の国の一般会計決算概要を発表した。税収は67兆円で、企業の業績回復を背景に2年連続で過去最高額を更新した。一方で歳出総額は142兆円を超え、税収の2倍を超えた。新型コロナウイルス対策の予算が膨らむなどしたことが要因だ。
寺島アナが「過去最高の税収と聞くと、景気がよいのかなと思いますが」と尋ねると、森永氏はその見方を否定した。
「例えば、去年から見て年収が上がったとかボーナスが出たということは、少なくとも私自身はありませんし、私の周りの知人と話していても、そういう景気の良い話は出てきません。その中で軒並み物価は上がっていて、個人的には景気が良い要素なんかどこにもないと思うので、景気が良いから税収が上がっているというのは考えられないわけです」(森永氏)
また、物価上昇によって消費税が増える状況にも疑問を呈した。
「消費しないと、人間は生きていけない。当然ながら売価が上がれば、それに対する10%の消費税がかかってくるわけで、景気の善し悪しに関係なくとられてしまう税金であるということを考えると、明らかに景気が良くないのに税収だけが上がっていく現象はおかしいのではないかと思います」(森永氏)
寺島アナが、新規国債発行額が57兆6000億円にのぼる点について、厳しい財政運営が続くと指摘すると、森永氏はこう反論した。
「結局税収で賄えない分を国債で発行していて、それがけしからんという話だと思いますが、そもそも税収で全部賄おうとしていること自体がおかしな話なわけです。予算を決め、支出して世の中にお金が出回って、その一部を税として後から徴収しているというだけの話をしているのに、なぜ全てを税収の中でやらないといけないのか。そもそもの理屈がおかしいと思います」(森永氏)
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