『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』住宅ローンのアルヒ株式会社って、どんな会社? 代表取締役社長に直接インタビュー
情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。
2022年6月4日は、ゲストにアルヒ株式会社の勝屋敏彦さんをお招きしました。前後編で放送の内容をまとめています。
前編となる今回は、アルヒのお仕事について。
住宅ローンの「フラット35」のシェアでは、2022年の時点で12年連続シェアNo.1を誇るアルヒ株式会社。
ただ、住宅購入経験のない方にとっては少し馴染みが薄いかも・・・。
勝屋さん、アルヒについて教えてください!
後編はこちら:住宅ローンの未来はどうなる? アルヒ株式会社の勝屋敏彦さんに問う(大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ)
勝屋敏彦さん プロフィール
1965年生まれ。1989年、現在の三菱UFJ銀行に入行。17年間の在籍のうち、およそ半分はアメリカで「証券化業務」に携わる。2006年からは現在のマネックスグループに移り、証券やFX、仮想通貨などを手掛ける。2022年、アルヒの社長に就任。
モーゲージバンクって、一体何?
鈴木 では、ご紹介しましょう。本日のゲスト、アルヒ株式会社代表取締役社長勝屋敏彦さんです。よろしくお願いします。
残間 アルヒは「モーゲージバンク」ということなのですが、そもそも、モーゲージバンクって何をしているところなのですか。
勝屋 モーゲージバンクは、主に住宅ローンを専門に融資する金融機関です。
残間 銀行などの金融機関と違って、あまり馴染みがありませんが・・・。
勝屋 そうですね。銀行との大きな違いは、資金調達を皆さんの預金から行わないところにあります。
モーゲージバンクは、融資した住宅ローンをまとめて、住宅金融支援機構さんに買い取っていただいたり、自分自身で「証券」という金融商品にして機関投資家さんに譲渡することで資金調達を行なっています。
大垣 日本でモーゲージバンクというと、アルヒさんと日本住宅ローン(MCJ)さんが草分け的存在ですね。
モーゲージバンクって、一体何?
鈴木 勝屋さんのご略歴を拝見していると、以前はFXや仮想通貨など、先端的な金融技術の世界にいらしたんですよね。そこから、ある意味庶民的でもある「住宅ローン」の世界に移られたということですが・・・。
勝屋 アルヒはお客様から見ると住宅ローンの会社ですが、その裏側で行っていることは、私がアメリカ時代に行なっていた業務と非常によく似ているのです。
私はアメリカにいた頃、証券化のアレンジメントを行なっていました。
銀行が、企業から債券を購入し、それを束ねた証券を発行。さらに売却をすることで、資金調達をする。この一連の流れをアレンジしていました。
証券化は、
・債権を作る人
・債権を売る人
・債権を買う人
という三者が、それぞれのメリットのために動くため、お金の流れが効率的になる、非常に優れた金融技術なのです。90年代の後半、大垣先生の書かれた『ストラクチャードファイナンス入門』(日経BPM・日本経済新聞出版本部、1997年。現在絶版)を読んでこうした金融技術を身につけたものです。
残間 これを、日本の住宅の分野で行なっていると。
・・・でも、普通の人は、自分が借りている住宅ローンが、知らないところで証券になって売買されているなんて思いませんね。
大垣 契約書にはしっかり書いてあるんですけどね。
でも、証券化の仕組みまで理解して住宅を購入される方のほうが珍しいかも。
売られている証券が個人で購入できることはほとんどありませんし。
住宅を購入する「ある日」が、陽の光で満たされるように
残間 私、最初に「アルヒ」という社名を拝見したとき、実は「あひる」に見えてしまって・・・すみません。
大垣 アルヒのロゴも白と黄色が基調になっていて、ちょっとアヒルっぽいですよね(笑)。
勝屋 このロゴは、アルヒ(ARUHI)の「U」の部分に、黄色い色がついているんです。「U(You、あなた)」に太陽が登ってくるイメージなんですよ。
それから、アルヒの社名は「あなたのための会社」という思いが込められているんです。
住宅を購入するという、人生でも非常に重要な「ある日」を、素晴らしいものにプロデュースできるような企業になりたい・・・という考えです。
大垣 思い入れのこもったいい名前ですね。
住宅ローンの「セレクトショップ」として
大垣 アルヒさんって、お客さんに対する接し方が丁寧ですよね。
モーゲージバンクとしてはある種「正攻法」で顧客を増やされてきているイメージがあります。
勝屋 ありがとうございます。
個人的には、アルヒは「住宅ローンのセレクトショップ」だな、と思っています。
自社の商品を作って売るわけではなく、
「フラット35」やネット銀行さんのローンの中から、自分たちが目利きしたものを厳選し、それをお客様にしっかりご説明して判断していただいています。
残間 それ、重要ですね。買う側って、分かっているようで、専門家ほどには分からないこともあるから。
大垣 住宅ローンはそもそもが難しい商品ですし、さらに、住宅は人生において、何度も購入するものではありませんしね。どんな選択肢があるのかが分からない人がほとんどです。
私は、家を買って不幸になった人の大半は、家ではなくてローンで不幸になっているんだと常々言っていて。悪者はローンだと(笑)。
自分が納得できる、良い商品を購入できることがいかに大切か、と常々思っています。
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後編では、住宅の最前線にいる勝屋さんだからこそ見える、住宅購入のトレンドや未来についてうかがいます。
後編はこちら:住宅ローンの未来はどうなる? アルヒ株式会社の勝屋敏彦さんに問う(大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ)
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お知らせ
パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。
住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。
賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。
制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。
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大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ
土 6:25~6:50
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