日銀の国債保有割合が5割超え 国債購入急増は「異常事態」なのか?
6月28日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、日本銀行の国債保有割合が5割を超えた件を話題に取り上げ、寺島尚正アナウンサーが火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏が意見を求めた。
田中氏「日銀が国債をいっぱい買って、何が大変なの」
寺島アナが紹介した記事は、日本銀行の国債保有割合が5割を超えて過去最大となっていることを、「異常事態」と表現している。この背景には、海外初の金利上昇圧力を受けて、長期金利の上限を0.25%に抑え込むために日銀の国債購入が急増していることがある。
この報道に、田中氏は「異常事態」という表現には「本末転倒していますね」とバッサリ。「何で日本銀行が国債を買い入れて長期金利を抑え込むかというと、日本経済のためですよね。つまり我々の雇用状況を良くしたり、経済成長を安定化させるためにやっているわけですよね。記事ではそこに全然触れなくて、ただ単に手段でしかない国債を日銀がいっぱい買っちゃって大変と言っていますが、いったい何が大変なのでしょうか。目標を達成できない、つまり経済安定化を達成できないのであれば大変ですが、そういった話を抜きにして、日銀が国債の発行残高の半分を持ったことを『異常事態』と書くのは(記事を書いている)あなたが異常だろうとツッコみたくなります」と指摘した。
寺島アナは「いろんな見方から物事を指摘できるということなんですね」と納得した様子。一方、田中氏は「一番重要なのは我々の生活です。その生活を支えるために日銀は金融政策をやっていて、その手段として国債を買っているわけで、場合によっては目標達成のためなら日銀が国債残高を全部吸収しても良いのです」と持論を展開。目的と手段を正しく認識することの大切さを示唆した。
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