「冷蔵庫を開けて“あなた?”って探すんです」室井も大ファンの怪談師が語ったとっておきの怖い話とは?
この記事は怖いBGMを聞きながらお読みください。6月24日の「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)は、怪談師の村上ロックさんをお招きして、聞くだけで体感温度が下がりそうな怖い話を披露していただきました。
室井佑月「本日のお客様は、怪談師・俳優の村上ロックさんです。わたしロックさんの大ファンなの。」
村上ロック「今日は、ちょっと短いお話なんですけれども、怪談なのかそれとも「ヒトコワ」、いわゆる人間の怖い話なのか、ちょっと判別できないようなそんな変わったお話です。」
大竹まこと「それでは村上ロックさん、お願いします。」
村上「これは新潟県在住の、20代前半の若い男性のお話です。この方、住宅リフォームの営業の仕事をされてまして、毎日のようにパンフレット持って住宅街を回っている。そんなある日、一軒の古い日本家屋を見つけて「丁度良さそうだな」と思ってチャイム押したら、中から80代ぐらいの品の良さそうなおばあちゃんが出てくる。そこで「おばあちゃん今ね、僕こういうのやってまして」とパンフレットを見せたら、熱心に話を聞いてくれるんです。「おばちゃんよかったら、見たところお家も古いようですし、思い切ってリフォームどうですか」って言ったら、「私もね、そういうの興味あるんですけど、ただこういったことは主人に聞いてみなきゃ分からないんです」。「そうですよね、じゃあ今ご主人いらっしゃいます?」と言ったら、このおばあちゃん、家の奥に向かって「あなた?」って呼びかけるんです。でも返事がない。 するとおばあちゃんは、アラ?って首をかしげながら、今度は娘さんらしき「よしこ?」って名前を呼ぶ。 やっぱり返事がないんです。おばあちゃんはアレ?って言いながら家中の部屋を開けていく。「あなた?」「よしこ?」。でも、どこにも姿がないんです。それを玄関先で見てた青年は「大丈夫かな?」って心配するんですが、おばあちゃんはどんどん家の奥に行って、しまいには冷蔵庫を開けて「あなた?」、冷凍庫を開けて「よしこ?」、タンスと壁の本当に狭い隙間に向かって「あなた?」。さすがに青年はちょっとまずいんじゃないかと感じて、思い切って靴を脱いで上がり込んだんです。それで「おばあちゃん!」って言いながら追いかけたら、家の一番奥の部屋に入っていく。続けて飛び込んでみたらそこ、仏間なんです。仏壇に旦那さんらしき方の遺影と、娘さんらしき方の遺影が置かれている。うわっと思って、「おあばちゃんごめんだけどこれ、もしかして旦那さんと娘さん、もう亡くなってるんじゃないの?」って言ったら…「死んでないよ!」…って怒鳴るんです。びっくりして青年はすぐ外に出て、警察を呼んだんです。で、結局このおばあちゃん、この家と何の関係もない人なんです。」
室井「えぇっ!?」
村上「そもそもこの家、空き家なんです。このおばあちゃんは離れたところにご家族もいて、別に認知症を患ってるわけでもないんです。じゃあ、何故おばあちゃんは、この家に上がり込んでいたのか?このおばあちゃんに、一体何が見えていたのか?ちょっと怪談ともヒトコワとも言えないお話です。」
室井「なんて話をするんだ!わたしこれから新潟に帰るのに。しかも私の本名“よしこ”だし。」
スタジオ(笑)
大竹「最後が秀逸だったね。住んでなかったのに、なんで上がり込んでたのか分からないし…コワッ!この話はオリジナルの創作なんですか?」
村上「これは僕が務めている怪談バーに来られたお客様から聞かせてもらったお話で、高校時代の同級生の体験なんです。」
大竹「余計怖いよ!続いてもう1つお話を伺いたいと思います。」
村上「これは3年ほど前の夏に、とある温泉地で聞いたお話です…」
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