エッセイ「水と土とが混ざり合って」にまつわるエピソードを公開『宗次郎 オカリーナの森から』
文化放送で毎週土曜午後17時15分から放送中の『宗次郎 オカリーナの森から』。
パーソナリティはオカリナ奏者の宗次郎さんです。
エッセイ「水と土とが混ざり合って」が生まれるきっかけとなった人間国宝、金城次郎さんの作品との出会い
宗次郎 ごきげんいかがですか、宗次郎です。3月ごろ沖縄から始まった「田植作業」も北上を続け、ちょうど関東地方が田植えの最盛期を迎えた頃だと思います。 今週も、僕が愛する「オカリナ」の音色と共に、ラジオの前の皆さんと「ホッとするひと時」を過ごしてゆきましょう。
西 川 今週は宗次郎さんに朗読を聞かせていただきます。どんな朗読を聞かせていただけますか?
宗次郎 今週は、アルバム「水心」をリリースした時のコンサートツアーパンフレットに載せた「水と土とが混ざり合って」というエッセイを読ませていただきます。
西 川 それではよろしくお願いします。
「水と土とが混ざり合って」
水の匂い
土の匂い
天からの水は何十年もかかって
腐葉土の森をくぐりぬけ
湧き水となって噴き出て来る
数千年も前に堆積した
太古の土
そういう水と土とが混ざり合って
陶土ができあがる
何十時間もの間 炎の中を耐え抜いたものが
こんなにも柔らかく温かい
器となって窯から出て来るのだ
水と土と火
人の手のぬくもり
M① 朝の祈り / オカリナエチュード4~チャーチ
西 川 「水と土への祈り」をバックに、宗次郎さんの「水と土とが混ざり合って」というエッセイを読んでいただきました。
宗次郎 このエッセイは先ほどもお話したように「水心」をリリースした時のコンサートツアーのパンフレットに写真と合わせて載せたものです。沖縄の人間国宝でもある陶芸家の金城次郎さんのコーヒーカップとソーサーの写真です。
焼き物というのは水と土と火だな、と。しかも僕が金城さんの作品が好きだったもので、金城さんの作品の写真を載せさせてもらいました。
カップには魚が描いてあるんですが、金城さんが「魚が笑っている」という表現をよくされていたんですけど、それくらい生き生きとした表情が描かれているコーヒーカップなんです。壺とか花瓶とかお皿とか、いろんな作品があるんですが、全部、魚とかエビが描いてあるんです。どれも生き生きとした絵で素晴らしいなあと思っていて。
一度、金城さんの工房までお伺いしたことがあったんですけど、その時に買い求めてきたんです。普段は販売していないみたいでしたが。そろそろ、ビクビクと訪ねて行ったら、奥様が出てきて、「好きなのでちょっと見させていただきたいんです」とお話したら、快く中に入れてくださいました。
工房の作品は、金城さんの心がそのままあらわれているという感じで、見せていただいて嬉しかったですねえ。本当に素晴らしい方だと思っています。
西 川 宗次郎さんのオカリナも水と土とが混ざり合って作られたものですよね。
宗次郎 はい。だから共通のものがあると思って、「水と土と火」は僕のオカリナのことも
あるんですけど、陶芸家の皆さんももちろんそうだな、ということで、こんな文章になりま
した。
西 川 はい。この後はリクエストのコーナーです。
宗次郎 それではリクエストにお応えして「一週間」をお届けしましょう。
M② 一週間 / nature music世界愛唱名曲集
西 川 宗次郎さんへのリクエスト、メッセージをお寄せください。川口技研プレゼンツ「オカリーナの森」から。お相手は宗次郎と、文化放送アナウンサー西川文野でした。それではまた来週。
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