感染症の司令塔「危機管理庁」新設 政府の感染症対策を抜本的強化へ
6月15日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、政府が検討している感染症対策の抜本的強化策案について、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏に意見を求めた。
森永氏、経済への影響を考慮する必要性も指摘
新型コロナ禍を受けて政府が検討している感染症対策の抜本的強化策案の全容が、2022年6月14日にわかった。国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合し、アメリカ疾病対策センター(CDC)にならった日本版CDCの新設を盛り込む。この強化策は岸田首相が15日に方針を示し、17日には政府の新型コロナ感染症対策本部で決定するという。
強化策では、日本版CDCを感染症に関する科学的知見の基盤・拠点となる新たな専門家組織として位置づけた。なお、現在の感染研究所は感染症の研究の中核であり、国際医療研究センターは新たな感染症対応を含む高度な治療・研究の拠点となっている。
この動きについて、森永氏は「これをやること自体は良いと思います。結局これから先も新しい感染症が出てくる可能性も十分あるわけですし、コロナが出てきた当初は(コロナについて)よくわかっていなかったから強烈に経済活動を制限したじゃないですか。そういうことが今後ないように日頃からしっかり研究をする、(新しい感染症が出てきた場合)ちゃんとお金を使って早急にその感染症がどのようなものなのかをわかるようにすべきだと思います」と、前向きな見解を示した。
さらに、森永氏は「もう一方で経済版も作ってほしいなと思います。感染症対策を考えた時に、感染症の専門家がどれだけ感染を広げないかというところに重点を置くのは当たり前だと思うんですね。ただ、今回のコロナ禍でわかったと思いますが、結局政策はトレードオフだと思うんですよ。決してゼロイチではなく、どこかに最適解があるもの」と、経済への影響を考慮する必要性を指摘した。
「例えば経済活動を抑制することが感染症を抑えるひとつの方法だとしても、経済的な観点から見た時にはすごく悪い影響が出てしまう。実際、感染症ではなく経済苦を理由に命を落とされてしまう方もいたわけで、そこのバランスを取るためには、感染症の専門家の意見も聞きつつ、経済の専門家の意見も見つつ、その中でもっとも良いとされるバランスを政府側が決定し、国民に対し政策を定量的に説明していくことが大事だと思います」(森永氏)
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