月曜から「オチ」を考える。落語における「地口落ち」、オチにとらわれない小説の書き方……
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、6月13日の特集コーナーは「オチをクリエイティブ」と題し、様々な場面での「オチ」について語り合った。
西川あやの「月曜チームで午後5時台のクラブ活動(コーナー)『おやじギャグ聞きたい』の打ち合わせをしているとき、落語における『地口落ち』の話題になりました。改めて重藤さん、地口落ちとはなんなのか教えてください」
重藤暁「『地口』というのは、ことわざとか有名な言葉を別のフレーズに置き換える、言葉遊びみたいなもので。たとえば『笑う門には福きたる』を『笑う顔にはフグきたる』、『沖の暗いのに白帆が見える』を『年の若いのに白髪が見える』とか。ちょっと変えて言葉遊びする、というのが地口です。けっこう身近にあふれていて、浅草の商店街やお稲荷さんなどに『地口絵』が飾られているんですよ」
西川「地口絵ってどういうものですか?」
重藤「笑う門にフグが来ている絵とか。北千住や南千住なんかにいまも職人さんがいてつくっていらっしゃって。どこかで目にしたことあるでしょうけど、たぶん見逃しているんですよ。地口というのは言葉遊びのことですね」
西川「地口落ちというのはそれがオチ、『サゲ』になっているもの?」
重藤「そうです。落語はオチのある話をするんですけど、その中で地口落ちというのはシャレを使ったものということ」
重藤からは落語と歌舞伎のオチの違いや、ラジオ発祥といわれる落語のオチのパターンなども語られた。オチ、結末は小説やマンガなどにもつきもの。小説家の山内マリコの執筆スタイルにも話が及ぶ。
西川「小説を書くときにオチを意識されていますか?」
山内マリコ「全然(オチを)考えずにいきます。フリージャズ方式です。書きながら、どこでオチるんだろう、どうしよう、どうしよう……と進んでいって最後に自分の中で納得感のあるところにオトせたら『やった』と思います。最初から『ここにオトそう』と意識したら書けなくなってしまうタイプなので」
西川「山内さんは『書きながら』というタイプと」
重藤「伏線回収で売る作品、名著もたくさんあるじゃないですか。そこを目指さなかったのはなぜ?」
山内「それをつくれない。伏線を張り巡らせて全部回収ということができないというか」
西川「作風によりますよ」
山内「物語といっても伏線回収がすべてではないし。そうじゃないところに自分の個性というか力があると思っているから」
このほかラジオのトークにおけるオチのつけ方にも触れた。特集コーナーがキレイにオチたかどうかは……radikoのタイムフリー機能でご確認あれ。
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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