SFA(営業支援システム)で、営業を見える化する秘訣は?『長尾一洋 ラジオde経営塾』6月6日(月)放送

SFA(営業支援システム)で、営業を見える化する秘訣は?『長尾一洋 ラジオde経営塾』6月6日(月)放送

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約8,000社の企業に携わってきた経営コンサルティングのエキスパート長尾一洋社長が、今週も悩めるビジネスマンのご相談に回答。今回は「SFAツールの使い方」について。悩める経営者の方からご相談が寄せられました。

また今回から番組アシスタントが八木ひとみアナウンサーから松尾英里子アナウンサーへバトンタッチ。長尾社長と松尾アナ、新タッグでお送りしてまいります。

■営業の見える化を推進するためのSFA活用法は?
ご相談者はラジオネーム『いのキング』さん。
職業:会社経営者
業種:医療福祉
いのキングさんの経営する会社では、営業の見える化を推進するためにSFAを導入。現場の営業マンが入力する営業段階を、以下のように区切っています。
・問い合わせ
・提案
・見積もり提出
・受注
お悩みは、このプロセスの区切り方について。
長尾社長へ「もっと効果的な区切りがあれば教えていただきたいです」というご相談を寄せてくれました。

■まずはSFAを復習しよう!

ご相談の解決を前に、新アシスタントに就任した松尾アナから早速質問が。
「SFAとは、そもそも何でしょうか?」

SFAとは『Sales Force Automation』の略。日本では一般に『営業支援システム』と呼ばれます。営業活動の状況を把握するためのもので、アメリカのIT業界から生まれたコンセプトです。

ちなみに長尾社長の会社、NIコンサルティングの場合、あえてSales Force “Assistant”としているとのこと。これは日本人にとっての意味の捉えやすさから。
『Sales Force Automation』というと、Sales Force→営業力という部分はわかりやすいものの、Automationという言葉からは”自動化”がイメージされがちです。しかしこの”Automation”は、全て自動にするというような意味ではありません。
例えば、おなじみのOA(Office Automation)。オフィスオートメーションと言っても、オフィスが自動化するのではなく、人間が働くのをITツールが支援するイメージです。
SFAの場合も同じく、営業の自動化ではなく、人が営業活動を行うためにITでサポートするというイメージとなります。

■長尾社長は営業指導のパイオニア!

「今回のご質問は、私のためにわざわざ…?サクラじゃないかな?というくらい(笑)」と笑いを含んだ口調の長尾社長。
実は長尾社長はSFAが一般的になるずっと以前から、営業指導に取り組んでいたパイオニア。
「この分野では私、多分世界一ではないかと。まあ世界中回って調べたわけじゃないんで、クレームのある方はぜひ文化放送に(笑)」

そもそも長尾社長が営業支援や指導に取り組み始めたのは、IT化以前。営業マンが提出する紙の日報をもとに営業指導を行っていました。そこにアメリカからSFAというコンセプトが上陸。
当時、紙の日報を使って指導するコンサルタントは他にもいたものの、みな年配で、IT化の流れから脱落していったそうです。当時20代だった長尾社長はITの波に乗り、それまで培った営業指導の知見を活かしつつSFAへとシフトしました。

現在、SFAをやるコンサルタントは世界中にいるものの、多くはIT化以降の参入。長尾社長から言わせれば「ただの新参者みたいなものなんで(笑)。この分野では私は世界一、少なくとも日本一だと思っています」とのこと。
ご相談者のいのキングさん、このお悩みを長尾社長にお寄せになるとはご慧眼です!

■効果的な営業プロセスの区切りとは?
SFAについて復習したところで、いよいよお悩みの解決へ。
現在ご相談者さんの会社では以下のように営業プロセスを区切っています。
・問い合わせ
・提案
・見積もり提出
・受注

「『問い合わせ段階』はいいけれど、『提案』が一発になっているのが気になります」と長尾社長。
『提案』の部分は『初回訪問』と『2回目以降(セカンド訪問)』と、段階を分ける必要があると言います。それはより役立つデータを取るため。初回で敗退したのか、2回目3回目へ進んだのかが分けられていることが重要です。

提案書や企画書を出す場合にも、初回か2回目以降かを分けておくと効果的。企画書の有無が、商談にどう影響したのかが分析しやすくなります。

そもそもSFAは取ったデータを振り返って分析したり、それによって問題を見つけるためのもの。行動を管理しようとする人が多いものの、それは本来の目的ではないと長尾社長は考えます。

■『受注確度』と『進捗度』を掛け合わせる

さらに長尾社長からはもう1つ指摘がありました。
「ご相談を読む限り『受注確度』の観点が抜けているかな、と。」
受注確度とは要するに”受注が決まりそうな度合い”のこと。A見込み、B見込み、あるいは90%、70%などの指標で表されます。

ご相談にあった、お問い合わせから受注までの営業段階はいわゆる『進捗度』。もちろんこれも大切ですが、受注確度の変化と掛け合わせてデータを取ることでSFAは真価を発揮します。

例えば、まだ問い合わせがあっただけだけれどお客様は知り合いで、確実に受注が決まっている場合なら…
→進捗はお問い合わせ段階だけれど、受注確度は「A見込み」。
見積もりを依頼されたけれど、相見積もりを取られていて商談が劣勢な場合なら…
→商談の進捗度は高いけれど、受注確度は低いまま。

このように進捗度と受注確度を掛け合わせたデータの管理は、紙の時代にはできなかったこと。SFAではこれができるので、受注の見込みを予測がスムーズになります。
多くのSFAにこの確度を記録する機能があるので、「商談が進んでいるから決まるだろう…」と曖昧に考えるのではなく、受注確度の変化もしっかり注視していきましょう。

■いのキングさんへの回答まとめ

・SFAの目的は、収集したデータの振り返りや分析、問題点の洗い出し。
・営業プロセスの区切りは、現在の『提案』段階を『初回訪問』と『2回目以降(セカンド訪問)』などに分ける。
・企画書等を提出する際にも、提案段階を細分化しておくと、どんなタイミングで企画書を出し、どんな効果があったかがわかりやすい。
・進捗度だけでなく、受注確度の変化を掛け合わせてSFAを活用しよう。

■長尾社長へのご相談を募集中!
『長尾一洋 ラジオde経営塾』では、パーソナリティ長尾一洋へのご相談やメッセージを募集しています。
お仕事のお悩みや、経営戦略のご相談などに長尾一洋が番組内でじっくりご回答いたします。

 

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