「ビニ本」は文化! 表現の自由は? 販売で古書店社長が書類送検される

「ビニ本」は文化! 表現の自由は? 販売で古書店社長が書類送検される

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5月31日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、古書店チェーンの「まんだらけ」の社長らが、いわゆる「ビニ本」を販売したことを理由に書類送検された件を取り上げ、寺島尚正アナウンサーが火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏に意見を求めた。

まんだらけ社長「芸術としてのエロスを捉えていた」

「ビニ本」は成人向け書籍(猥褻写真誌)の一種で、1970~80年代に流行した。過激な露出がウリで、立ち読みできないようにビニール袋に入れられて販売されていたことに由来する。1985年の改正風俗営業法の施行でビニ本への規制が厳しくなると、取り扱っていた書店が次々と撤退。現在ではほとんど目にすることがなくなった。

今回、「まんだらけ」社長らが書類送検された容疑は、わいせつ図画有償頒布目的所持などの疑い。東京都内の店舗などでビニ本を販売したほか、通信販売サイトでビニ本の画像を公開したなどとしている。そこには女性の下半身をモザイク処理が施されていないわいせつで違法な写真が掲載されており、保安課のサイバーパトロールで発覚したとのこと。社長は容疑を認めたうえで、「芸術としてのエロスを捉えていた」と話している。

寺島アナと田中氏はどちらもビニ本文化を知る「生き残り」世代。田中氏は「今、まんだらけさんに行ってビニ本をわざわざ買う人は、まさに文化を支えている人しかいないですよ。インターネットにそういう(わいせつな)ものが溢れているなか、わざわざモザイク処理が施されているビニ本をまんだらけさんに出向いて買うのは、文化を継承する意味以外にないですよ」と、ビニ本の「文化的側面」に言及した。

さらに、「ビニ本は素晴らしい文化ですよ。ビニールに入っているから買わないと読めません。そこに神秘感があるんですね、『あのビニールの中に何が入っているのか』と」と、田中氏が続ける。

このニュースに、自民党の山田太郎参議院議員はツイッターで「本罪は社会的法益の罪であり被害者なしで、警察駆動で取締りが行われるもの。何が『健全な性風俗』かを警察が決め、違反と認定した表現物に刑罰を科す。これは表現の自由を守る憲法21条違反ではないのか? 法の見直しが必要」と指摘している。


「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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