輸入木材の不足で国産需要が増加 “ウッドショック”が日本の林業を救う!?

輸入木材の不足で国産需要が増加 “ウッドショック”が日本の林業を救う!?

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5月23日放送の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、ロシアのウクライナ侵攻が世界の木材市場を揺らしているニュースについて、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏に意見を聞いた。

上念氏「スギ花粉の減少にも期待」

ロシアは有数の木材輸出国で、FAO(国際連合食糧農業機関)によると、コロナ禍以前の2019年に輸出した製材の量は世界の21%を占め、国別では最多だった。ところが、ロシアは2022年3月にアメリカ、ヨーロッパ、そして日本を非友好国に指定し、合板の原料となる単板と木材チップの輸出を禁止。日本の合板メーカーは輸入の8割をロシアに頼っていたため、国産への変更を急いでいる。ただ、その供給量が追いついていない状況だ。

現在、木造住宅の壁や床に使う国産の合板は過去最高の価格で推移している。2021年から続く世界的な木材不足にロシア発の“ウッドショック”が追い討ちをかけたかたちで、コストの上昇を吸収しきれず、値上げを検討する住宅会社も出てきている。合板の価格は、昨年にアメリカの住宅人気で木材が世界的に不足する“ウッドショック”が発生し、35%値上がりしていたが、今回のウクライナ危機後、さらに19%値上がりしている。

ところが、こうした状況に上念氏は「悪いことばかりではない」と分析。「これは第2次ウッドショックと呼ばれています。私は先日、実際に建設現場に行って話を聞いてきましたが、『(木材価格の)めどが立たないので材料代だけ先に払ってくれ』というところが増えているようです。建物ができ上がってからの請求だと木材の値段が上がってしまうので、先に材料を買うために材料代だけ先に払ってくれ、ということですね。その一方で木材価格も見積もりした時点での価格を出しますが、高騰した分は上乗せしますという契約も増えています。そんな状況ですので、サプライチェーンを付け替えるようなことも難しいかもしれないですね」(上念氏)と、木材取引の現状を説明。

そのうえで、「ただこれには一つ利点がありまして、死んでいた日本の林業が復活する可能性があります。通常ですと北欧やロシアは平地に木がたくさん生えてるので、それを切って積んだら出荷できるんですよ。しかし日本の木は山に生えているため、斜面から切り出すのに時間やコストがかかるんです。もし、そこまで手間をかけても輸入木材よりも安いということになれば、日本の山林を手入れするようになるじゃないですか。今は杉ばっかり植わってるので、杉を切って違う樹木を植えて、林業公害であるスギ花粉をなんとかしよう、みたいな動きになればいいですよね」と、上念氏は日本の林業の復活を期待した。


「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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