企業に対し男女の賃金差の開示を義務化 「新しい資本主義」実現に向けて
5月20日放送の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、政府が企業に対して男女の賃金差の開示を義務化するというニュースについて、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、金曜コメンテーターでストラテジストの嶋津洋樹氏に意見を聞く場面があった。
嶋津氏「まずは賃金を上げることが先」
政府は企業に対し、男女の賃金差の公表を義務付ける方針を固めた。6月に決める「新しい資本主義」の実現に向けた計画に盛り込み、早ければ年内の施行を目指すという。対象は常時雇用する労働者が301人以上の事業主。企業の単体ベースで、賃金額ではなく男性の賃金水準に対する女性の比率をホームページなどで開示してもらう。賃金差に合理的な理由がある場合は説明を載せ、正規・非正規雇用で分けた場合の数字の開示も求めるという。非上場では1万社以上が対象になる。
このニュースについて、嶋津氏は「先にやることとしては賃金を上げることだと思っているので、他にやることがあるのではないか」と一蹴。
続けて「次に思うこととしては、社内で給与水準がわかってしまうと(社内の人間関係が)ギスギスするリスクがあります。これを加味して金額ではなく比率での公表を求めているわけですが、その辺がちゃんと考えられているのかなと心配です」とコメントした。
なお、この方針について、日経新聞は「男女の賃金格差は女性登用の遅れなどを映す。男女の対等な評価を通じて人材の多様性を高め、企業の成長につなげる」と伝えている。
これについて、嶋津氏は次のように懸念を示した。
「多様性という部分も重要ですが、結局人が足りなければ企業は色んな人を雇わないといけなくなって、色んな人を雇うためには賃金も含めて働く環境を整備しないといけない。これは、景気を良くして賃金を上げることができれば徐々に進んでいくものだと思います。さらに、こういうやった感のある行動は気をつけて見ないとやった感だけで終わってしまう」(嶋津氏)
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