フィンランド、NATO加盟申請の方針を表明 ロシアのウクライナ侵攻で危機感
5月13日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、フィンランドがNATO(北大西洋条約機構)への加盟を表明したニュースについて、金曜コメンテーターである郵便学者の内藤陽介氏に寺島尚正アナウンサーが意見を求めた。
1300キロメートルにわたって接するロシアとの国境
フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領とサナ・マリン首相は5月12日、「フィンランドは速やかにNATO加盟を申請しなければならない」との声明を発表した。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、長年維持してきた軍事的な中立政策を転換する。フィンランドではNATOなどの国際機関への加盟、脱退は国家元首である大統領の権限となっている。政府は数日中に正式決定する見通しで、議会でも大きな反対はないとみられる。
フィンランドの国境は1300キロメートルにわたってロシアと隣接している。ロシアのウクライナ侵攻は他人事ではないのだ。今年2月に、NATO加盟に関して国民に調査を行ったところ、53%の人が賛成だったのが、直近の5月には76%になり、国民の意識も変わってきているという。
このフィンランドの動きについて、内藤氏は「これは今の情勢から考えたら当然じゃないでしょうか。ロシアがウクライナに攻め込みましたから、(フィンランドに向けて)暴発する可能性は常にあります。今までであれば、『さすがにそこまではないだろう』というふうに考えていたことが、これからはNATOに入って(自国を)守らなければ、と変わる。フィンランドにとって、当然の選択だと思います」と述べた。
NATOの事務総長は12日、フィンランドの方針を歓迎し、「加盟手続きは円滑かつ迅速になされるべきだろう」と話した。6月末の首脳会議でフィンランドの加盟申請を確認する方針だ。NATO加盟国になると、北大西洋条約第5条の集団的自衛権が適用されて、仮にフィンランドが攻撃された場合には、アメリカやNATO加盟国に防衛義務が生じる。
また、フィンランドと同じNATO非加盟のスウェーデンでもNATO加盟の議論が大詰めを迎えており、現地メディアによると5月16日にもマグダレナ・アンデション首相がNATO加盟申請の方針を表明をする予定だという。
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