円安が後押し トヨタ自動車、6年ぶりに営業利益最高を更新
トヨタ自動車が発表した2022年3月期決算によると、本業の儲けを示す営業利益が前年と比べて36.3%増の2兆9956億円となり、6年ぶりに過去最高を更新した。これについて、5月12日の「おはよう寺ちゃん」では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏が寺島尚正アナウンサーと議論を交わした。
国民生活と輸出企業、円安効果で明暗
過去最高の営業利益をもたらした背景には、2021年は半導体不足を理由とする国内工場の稼働が一時停止する事態が相次ぎながらも、北米やアジア、ヨーロッパなどでのクルマの需要回復が続いたことで売り上げを伸ばしたほか、円安によって利益が押し上げられたことが挙げられる。
その一方で、2022年度は電動車の品揃えを充実させて990万台の販売を目指すが、鉄やアルミなど貴金属の原材料価格の高騰を理由に、1年間に見込まれる負担の増加額が営業損益ベースで1兆4500億円という過去に例がないレベルにのぼるとも発表している。
藤井氏はこのニュースに、「円安だからこうなりますよね。モノが高く売れるようになっちゃったんですからね。よその国の人は(これまでと変わらず)ふつうに買っているだけですが、(円安になれば)日本円に換算した時にすごく高くなるのですから、そりゃ当然ですよ」と、輸出企業の円安効果を説明。好決算は当然の帰結であると強調する。
寺島アナは、「日本銀行の黒田(東彦)総裁が『(現時点では)円安は決して悪いことではない』というようなことを言っていましたが、その発言はこれ(輸出企業が円安の恩恵を受けること)につながるということなんですね」と付け加えたうえで、国民の生活と輸出企業とでは円安の影響に明暗が出てくることを示唆した。
もちろん、円安の弊害、デメリットもある。藤井氏は、「デメリットを緩和するような対策を併せて行えば良いだけなんですよね。例えば、石油が高いから減税しておくとか、小麦が高いから減税するとか、そういうことですね」と指摘した。
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