太田昌克がロシアとプーチンの動きを分析。核の使用の可能性は……
5月11日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーにジャーナリストの太田昌克氏が登場。対談本『核兵器について、本音で話そう』の紹介も含め、核の恐ろしさ、プーチン大統領の思惑などを語った。
太田氏をスタジオに迎え、大竹も日本で核の被害に遭った方々に思いを馳せた。
大竹まこと「広島、長崎。何十万人という人間がたった一発の核爆弾で命をなくして、77年間、後遺症もあり。子や孫たちも被爆に侵されて。絶対に使っちゃいけない兵器ですよ」
壇蜜「お体の見た目が変わられる場合もある。心にも体にも、一生背負わなければいけないモノを背負ってしまいます」
太田昌克「まだハッキリと遺伝学的な影響は確認されていなんですけど、二世・三世の方も心の内側で不安があるわけです。1回放射線を浴びて70年以上も影響が残る。知り合いの被爆者の方が昨年、数十回も手術を受けた癌で他界されたんですね。造血機能が放射線によって侵されて血液ができず、手術すらままらなくなった。そういう被爆者もおられるんですね」
大竹「核の脅威がまことしやかに報じられるようになってしまいましたが、どう捉えればいいでしょうか?」
太田「プーチン大統領のレトリックですね。自分たちはよその国にない兵器を持っているんだ、場合によっては電光石火の軍事作戦が可能だと、核使用を示唆したり、核の軍事警戒態勢というのを上げて脅しをかけたりしている。核が実際に積める新型ミサイルを、核を積まない形で民間施設を狙う、そういう攻撃も既にウクライナで起きている。そういった側面から、核使用のリスクが相対的に高まっていると懸念します」
壇蜜「周囲は核の使用がいつかと予測しているのでしょうか?」
太田「それは核のボタンを握る者にしか恐らくわからないと思います。ロシアの場合ですとどこかに攻撃されたら核報復するという戦略があります。国家の生存が脅かされる事態になった場合も使いうるという選択肢も温存していて。いまプーチン大統領が自らをどんどん追いつめている側面があります。孤立して自国の兵力も4分の1が使えない状態に。己の生存が脅かされると考えた場合は、使う可能性も否定できません」
大竹「それがあるために西側諸国はNATOもアメリカもウクライナに踏み込んでいけないジレンマに陥っていて。最低限できる外からの支援に、いまはとどめています」
太田「そうですね。ただ実際はかなりウクライナ軍に対しては偵察衛星、軍人事衛星、それから盗聴の手段を使いながらロシア軍の動きを西側は見ているわけです。軍事インテリジェンスをウクライナ側に渡している。さらに戦車を攻撃できる榴弾砲といった効果的な武器を供与している。おそらく伝統的な国際法で行くとアメリカや欧州はもう戦争当事国なんですね」
さらにロシアとプーチンの動きについてこう分析する。
太田「ロシアは核の脅しを振りかざしながらウクライナを侵攻したということで、通常の戦争とは事情が違う。核を諦めた国であるウクライナを攻めたことで、軍事支援を西側がやっている。アメリカとガチンコというか直接対決になっていないのは、プーチン大統領もそうすると核の戦争になりうる、そういうおそれを抱いているからだと思います」
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