株価や債券の価値が減少 懸念される企業の資金調達への影響
5月11日放送の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、世界的な株式や債券の価値の減少について、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが水曜コメンテーターの経済アナリスト、森永康平氏に意見を聞く場面があった。
金融市場の混乱による経済への影響を注視
インフレを背景に、アメリカの金融引き締めが加速。景気減速の懸念が強まるなか、世界の株式の時価総額は100兆ドル(1京3000兆円)を割り、債券を合わせた価値は年初から38兆ドル減り、世界の国内総生産(GDP)の半分近い金額が消えた計算になった。コロナ禍の緩和マネーで膨張した金融市場が縮み、企業の資金調達などに影を落とす。
このニュースに、森永氏は「たしかにアメリカが金融引き締めを行ったことでマーケット自体は下落傾向にあり、実際に日本でも株価指数は下がっているのですが、個別企業ごとに見てみると、私から見てかなり良い会社だなと思う株価は下がっていませんでした。むしろ下がっているのは実態のわりに株価が高い、期待が先行して株価が付いているような会社が思いっきり下がっています。株価指数だけを見ている人たちからすると、株価が下がった印象なのかもしれないですが、私からするとむしろ現実的になってきている展開で、そこの選別が働くような市場になったのかなと思います」と、独自の視点を述べた。
さらに、金融市場の混乱が企業の資金調達にも影響を及ぼす点についても、「注視すべき」と付け加えた。
森永氏は、「株価が下がった上がったというのは、株式をトレーディングしていない人に対してはあまり関係のない話。景気が減速する中で金利だけが上がると、利払いの負担が高まるのですが、例えばアメリカでは今年の年末にデフォルト率が3%まで上がると予想されています。つまり、今後破たんする会社が増えてくる可能性があるということです。国レベルでいうと、いわゆる信用格付けの低い国のリスクが高まってくると考えています。株価ももちろん大事ですが、金融市場の混乱は経済にも影響が出てくる点を注視すべきです」と指摘した。
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