インフレの影響に世代間格差 高齢者ほど物価上昇の負担が重いのはなぜ?
5月4日放送の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、世代によってインフレ率に格差が生まれているという記事について、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが水曜コメンテーターの経済アナリスト森永康平氏の意見を聞く場面があった。
若い人と高齢者で必要なものやお金の使い方は異なる
総務省の消費者物価指数は、約600品目のものやサービスの価格を平均的な世帯の支出傾向で重み付けして算出している。消費者物価の10年間の上昇率を世帯主の年齢別にみると、70歳以上は7.3%と29歳以下の1.1%を6ポイントあまり上回る。現役世代が保育の無償化などの恩恵を受けるのに対して、高齢者は物価上昇の重みを負いやすいのが現状という。
2021年までの10年間で、物価上昇の伸び率(インフレ率)が最も小さいのは29歳以下の1.1%。次いで30歳台が1.5%、40歳台が4.3%、50歳台が5.5%となった。また、仕事をリタイアする人が多い60歳台は6.8%に達し、70歳以上は7%を超え、高齢になるほどインフレ率も高まる傾向があることが数字から見ても明らか。若い人と高齢者では実際に必要なものやお金の使い方が異なり、それが背景にあるようだ。
このニュースに、森永氏は「幼児教育や保育の無償化によって現役世代の負担が和らいだという話がありましたが、それだけではなく、菅政権の携帯電話の通信料の引き下げもあります。スマホを使うのは現役世代で、高齢者は使わない人もいますから、それによって若者のほうが、物価が下がっているというのが一つあります。あとは、現役世代は会社勤めをしているため、家にいる時間が引退世代より圧倒的に短いです。そのため水道代や光熱費の上昇の影響を高齢者のほうが受けやすいことがあります」と、世代間による物価の影響の違いを分析した。
さらに森永氏は、「世代間格差によって物価の影響が違うというのはそうのなのですが、携帯電話の通信料の引き下げや原油上昇による電気代やガス代の上昇といった、統計をとっているタイミングが通常時の世代間格差よりも大きめに格差が出やすいタイミングであったことは考慮しておかないといけないポイントかなと思います」と指摘した。
「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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