歴史に学ぶ危機管理術 #1『浜松町Innovation Culture Cafe』
日本国憲法とは、現在の日本の政治のあり方の基本を定めている最高法規です。第二次世界大戦終結後、軍国主義を捨て平和な国家の建設を目指すために定められました。ヨーロッパで発展した人権思想が受け継がれており、「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」の三原則があります。この中で今回の放送でも少し触れられている基本的人権について考えたいと思います。
基本的人権とは、人間が生まれながらにしてもつ、侵すことのできない永久の権利とされ、①自由権②平等権③社会権④参政権⑤請求権といった権利が含まれます。これらの内容は小中学校で学ぶ、誰もが知っている当たり前の事実です。しかし、日本国憲法第97条には、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と記されています。つまり今や当たり前に守られている我々の人権とは、もともと存在したものではなく、長い歴史の中で努力と苦難によって人類が勝ち得た大切な権利であり、永久に守るべきものとされているのです。
この97条は憲法第10章の「最高法規」の規定の冒頭に置かれています。続く第98条では「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」とあります。日本国憲法が国の最高法規と規定される章の冒頭に、98条ではなくあえて97条を持ってくる意味とはなんなのか。さらには、第11条で「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」と定めた上で、もう一度内容が重複すると考えられる第97条をここに持ってくる意味とは。もちろん諸説あり一概には言えませんが、時代によって変わりゆくものと、永久に守られていくべきものと、両方を大切にすることで、良い時代を創っていけるのだと思います。
番組内では、株式会社コテン代表取締役CEO深井龍之介さんと、株式会社フライヤー代表取締役CEO大賀康史さんにご参加いただき「今取り組んでいること」から「歴史に学ぶ危機管理術」について熱いトークが繰り広げられました。
今取り組んでいること
深井 世界史をデータベース化し、検索可能にするプロジェクトをしています。マネタイズできることは個人的には確信していますが、あえてそこを確定していません。ユーザーを特定せずに、どうやって人とお金を集めるかというのが自分のミッションです。
大賀 優れたビジネス書を1冊10分で読めるよう要約し、1日1タイトル提供しています。読者に豊かな時間を提供するとともに、本選びのサービスとしてもとても良いものだと思います。隙間時間でビジネストレンドをしっかり捕まえられる、自分が一番欲しいと思ったサービスを実現しました。
歴史に学ぶ危機管理術
深井 大変な状況ではありますが、今までの歴史の危機に比べれば、今回のコロナはライトな方であり希望はあります。科学技術の進歩や啓蒙や情報伝達手段もあるので、乗り越えられる感覚があります。絶望する状況ではありません。今までの構造で解決できない課題がきたとき、既存の成功パターンを壊すということが大切です。
歴史上一番の変化はアメリカ独立宣言とフランス革命ですね。人権という概念が生まれ、世界のスタンダードが変わった瞬間です。完全にOSが信仰から人権に変わったのです。コロナはまだバージョンアップかアプリケーションの変更程度であり、インターネットの登場よりも弱いです。
言語化する人が出てきたときの世の中の動きが早いです。ムーブメントを作れる言葉の力は絶大です。
大賀 今、まさにやってきたことが問われています。今後どのように組み立てて行くかはまだ明確ではないですが、この先には革新的に効率性を生み出すような時代がくると考えています。コロナはビジネスでいったら明治維新ぐらいの変化じゃないでしょうか。
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この記事の番組情報
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浜松町の路地裏にひっそりと佇むカフェ「浜松町Innovation Culture Cafe」 経営学に詳しいマスターが営むこのお店には、様々なジャンルのクリエ…