バイデンvsプーチンどっちが「強いリーダー」かアメリカ人の結論は!?現大統領がトランプなら世界はどうなったのか?
4月11日の「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)のお客様は、明治大学政治経済学部教授の海野基央さん。ウクライナ情勢やロシアをめぐってカギを握るアメリカのバイデン大統領の考え方や、ゼレンスキーさんとトランプさんの微妙な関係を解説していただきました。
大竹まこと「海野基央さんはアメリカの研究をなさっていて、先日はテレビタックルでご一緒させていただいたんですけど、いかに民主主義が大事かという話は心に深く残っております。ロシアとウクライナの戦いに対して、バイデン大統領は民主主義の側に立って発言しているんですよね。」
海野「バイデンさんは副大統領の時から、民主主義対専制主義という対立構図で世界を考えていました。そして、プーチン大統領は力=軍事力を信じているが、バイデンさんはそうではなく、力は正義感、道徳観、倫理観だと言っています。民主主義のリーダーと言うのは日本も含め、根底に倫理観とか道徳観がないといけないと言うんです。」
大竹まこと「この番組ではよく言うんだけど、権威主義のほうが何かを決めるのに手っ取り早くて、国という単位で考えるなら領土を侵略するのも権威主義のほうが早いですよね。このスピード感に民主主義はどう対抗すればいいんですか。」
海野「それはバイデンさんも認識しています。バイデンさんは、プーチン大統領と中国の習近平国家主席は権威主義のほうが民主主義よりも優れていると考えている、と言っているんです。民主主義というのはコンセンサスをとらなければならないので、合意形成に時間がかかります。プーチンさんと習近平さんは21世紀は変化に対するスピードが重要だと言っている、というんですね。しかし今回のウクライナを見てわかるように、先制主義者・権威主義者は危機的な状況も作るわけです。1人で意思決定をして、プロパガンダを使って国民に信の情報を与えない。その代わり、今ホワイトハウスではプーチンさんのところに本当の情報が入ってきてないと言っています。つまり、国民をプロパガンダでコントロールしようとするんだけども、結局回り回って自分に真の情報が入ってこない状況になっているんです。」
大竹「自分に逆らうような人を排除していくわけだから、従って正しい情報が自分の手元に届かなくなってしまうという、そういうことありまよね。でもアメリカにいつも正義があったかというと、ベトナムとかそうでない側面もありました。」
海野「確かに今のアメリカも力を信じている部分があります。アメリカの有権者に「バイデンは強いリーダーですか?弱いリーダーですか?」という世論調査をしたところ、強いリーダーだと答えたのは40%でした。ではプーチンさんはどうなのか聞いたら60%が強いリーダーだと言ったんです。つまり、アメリカ国民はバイデンさんが言うような道徳観や倫理観ではなく、強いリーダーには軍事力が必要だと思っているんです。」
大竹「そう考えると今の大統領がトランプじゃなくて良かった。」
海野「トランプさんは「自分がホワイトハウスにいたらプーチンは侵略しなかった」と言っています。ですけどトランプさんとゼレンスキーさんの関係は微妙です。バイデンさんの次男はウクライナのガス会社の役員をやっていて、トランプさんは選挙で勝つためその情報をよこせとゼレンスキーさんに圧力かけたんです。情報をくれたらホワイトハウスで首脳会談をやってやるというわけです。こういう事があったので、ゼレンスキーさんとトランプさんの関係を考えると、うまく結束できないのではないでしょうか?しかも元大統領補佐官のボルトンさんは、トランプさんが選挙に勝っていたら、アメリカはおそらくNATOから離脱して、プーチンさんの思う壺になっただろうと述べているんです。トランプさんが大統領のままだったら、NATOともEUとも、うまくいかなかったかもしれません。さらに私はおそらくプーチンさんのことも許したのではないかと見ています。」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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