いまの着物は雨にも強い? カジュアル化の進む着物事情を山内マリコ、重藤暁が語る
4月4日にスタートした「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)。番組を部活動に見立て、「マネージャー」西川あやのが各曜日のスタジオ部員とともにお届けしている。第1回である今回は月曜のスタジオ部員の小説家の山内マリコ、伝統芸能研究家重藤暁(しげふじ ぎょう)が最近のカジュアルな着物事情を語った。
特集コーナー「今日のクリエイティ部」では今回、「着物をクリエイティブ」として着物を特集。放送日はあいにくの雨だったが、重藤、山内の両名は着物でスタジオまで登場した。
西川あやの「山内さんがお召しになっているのは?」
山内マリコ「これは紬(つむぎ)ですね。カジュアルな感じのお着物。渋めの茶系の生地に格子柄で。帯にハトが刺繍されていて、ハトは縁起が良くて。『いい知らせを運んでくる』みたいな」
重藤暁「僕は黒紋付羽織袴という、日本の第一礼装。初回ということで格が上のものをビシッと着てまいりました」
気合充分の装いで生放送に重藤さんと山内さん。どうしても「難しい」というイメージを持たれやすい着物だが、いまは手軽に扱いやすくなっていることも教えてくれた。
西川「最近『着物は難しい』といった固定概念が覆るような着物ものが続々と登場している、ということで。たとえばポリエステルや木綿といった素材の、自宅でお洗濯ができるもの。一般的な絹100%の着物に比べて手に入りやすく、特にポリエステル製は家庭の洗濯機で洗えるので初心者の方にも大人気と」
重藤「きょうがちょうど雨だったので、ポリエステル製で来ました。正絹(しょうけん)だと跡になっちゃうので。ポリエステルだと洗濯機で洗ってスッと干せばそのままピシッと着られますから」
西川「全然シワがない!」
山内「私も自分で最初に勝ったのはポリエステル製でした。正絹の反物で仕立てて……となると高いんですよね。『プレタ着物』という、最初から仕立てられた状態になっているものから入りました」
さらに実際、着物を求める若年層の様子についても教えてくれた。
山内「いまちょうど発売されている『七緒』という雑誌の連載で、着物インフルエンサーのシーラ・クリフさんと対談をして。彼女によれば、ずっと日本の着物というのはカチッとした格式高いものが多かったけど、2000年ごろからはすごくストリートファッションになったと。私が最初に買ったポリエステル着物とかも昔(90年代ごろ)からするとありえないほどカジュアル。そこで革命が起きて、日本人が自分たちの文化を取り戻した、と分析されていましたね」
重藤「浅草でめちゃくちゃキレイな着物で歩いている方とか、いますもんね」
山内「そうそう。浅草に行くと写真を撮っている女の子がたくさんいてね。かわいい」
西川「レンタルでそういうのがあるんですか?」
山内「そう。着物を選んで、お店で着せてもらって。それで『映え』スポットに行かれています」
放送では最近の着物や関連商品の詳しい紹介や、着付けに厳しいいわゆる「着物警察」についての山内、重藤、両名の思いなども話されている。着物に興味を抱いている方もぜひ聴いてほしい。
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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