ウクライナが停戦交渉で条件付きの中立化を提案、妥協点は見つかるか?
3月30日放送の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、29日に行われたウクライナとロシアの停戦交渉を取り上げた。
ロシアはキエフ近郊の軍事活動を縮小
ウクライナとロシアの交渉団は3月29日、トルコのイスタンブールで対面式の停戦協議を行った。ウクライナ側は協議の中で、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を断念し中立化する方針を示し、その代わりに国連安全保障理事会の常任理事国の5か国にカナダやドイツなどを加えた新たな安全保障体制の構築やEUへの加盟を、ロシアが妨げないことなどを提案した。領土問題を棚上げすることも求め、ロシアが2014年以来、実効支配するクリミア半島については合意の中には含まないとし、今後15年以内に解決を目指すという。
このニュースに、森永氏は「この内容をロシアがすぐ飲むとは思えないですね。特に領土問題に関してはどちらかが妥協するのではなく棚上げするということで、どちらが有利ということはない。一方、NATOに入らないと言いつつも、アメリカやEUと新しい安全保障の体制を構築していくことにロシアは何も言うなということで、今までロシアはウクライナが飲むわけないだろうという条件を突きつけていたのに対して、今回はウクライナ側が強気な条件を出したので、ロシアはすぐには回答しなかったということですね」と指摘した。
また、ロシア側はウクライナの首都キエフ近郊における軍事活動を大幅に縮小すると発表。これに対しアメリカ国防省は29日、ロシア軍がウクライナの首都制圧に失敗したと断定。米国の、「ロシアの軍の一部が後退しつつあるのは撤退ではなく、部隊の再配置だ」との見方を寺ちゃんが紹介した。
この見方について、森永氏は「ロシアは当初武力衝突があるとされていた東部に、ある程度戦力を絞っていき、それに対してウクライナは東部に関しては独立承認という道筋を立てにいくという話なのかなと思います。もともとウクライナ全土を侵攻するという話ではなかったと思うので、そういう意味では撤退というより再配置に近いのかなと思います」と、分析した。
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