カーボンニュートラルLNG のCO2ゼロは本当か?クレジット水増しの疑い
3月28日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏と、寺島尚正アナウンサーがCO2排出実質ゼロを謳っている液化天然ガス(LNG)で浮き彫りになってきた問題点について議論を展開した。
脱炭素化に取り組む企業は注意を!
国連が掲げているSDGs(持続可能な開発目標)を始め、世の中は急速に脱炭素化へとシフトしている。多くの企業が脱炭素化を推進するようになる中、そんな企業を狙うかのように「CO2(二酸化炭素)の排出実質ゼロ」と銘打つ液化天然ガス(LNG)が、日本でも出回っている。森林保護や再生可能エネルギーの導入事業で創出されたカーボンクレジット(二酸化炭素の削減量)を組み合わせて燃焼までに出るCO2を相殺するという製品だ。
カーボンニュートラルLNGという製品が世の中に登場したのは2019年。実際にはガスの採掘から液化、燃焼までの工程でCO2は出る。しかし売り手が排出と同じ量のクレジットを購入し、地球全体で「排出ゼロ」と見なす、というものだ。
問題となっているのはクレジットの質。発行量に対して実際のCO2の削減効果が小さいと排出は差し引きゼロにならない。民間クレジットは発行量の算定基準が曖昧で、認証後に森林伐採などの変化が生じても反映しないケースが多いという。
日経新聞がこのクレジット認証機関の公開データを独自に分析したところ、2022年1月末までの国内販売分に組み込まれていたクレジット量は累計281万トン。個別に発行事業を辿ると、全体の30%はインドネシアの森林保全事業が母体となっていたが、日経新聞の調べによるとこの事業は実際のCO2削減効果と比べて最大3倍の規模でクレジットを発行している水増しの疑いが判明している。
寺島アナが「買い手がこのCO2相殺の実態をチェックできるルール作りを急ぐ必要があるとしています」とニュースを読み上げる。
「すごいですね。これ二重、三重譲渡みたいな感じですね。他にも22%はペルーの国立公園保護事業から出してるらしいんですよ。同様の疑いがあるらしいです。エコって言ってもこういうことなんですね。商売やってる奴がいるんですよ」と、上念氏は著作権の二重譲渡で逮捕されたアーティストを例に挙げて問題点をわかりやすく解説した。
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