常井「政界の不祥事はもっと根っこの部分にある」ノンフィクションライターが語る、河井夫妻選挙違反事件のもう一つの見え方
3月25日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)に、ノンフィクションライターの常井健一がゲストに登場し、自身の著書『おもちゃ 河井案里との対話について、河井案里とのやり取りや河井夫妻の公職選挙法違反についてノンフィクションライターの目線から語った。
おもちゃというタイトルの訳は。
「案里さんはスキャンダルが出てから、一切表に出てこなくなった。それ以前から取材をしていた私は、ひょんなことからメールのやり取りをするようになった。案里さんの逮捕が決定的になったのは、2020年の5月に黒川さんが麻雀賭博でクビになった時。黒川さんは、安倍さんの守護神で黒川さんがいる間は、河井夫妻は立件されないといわれていた。メールのやり取りの中でも、結構余裕があるなと感じていた。黒川さんの事件が発覚した時に、逮捕されることを覚悟した感じがあった。その時のメールの中に、私も黒川さんも権力のおもちゃにされてしまってかわいそうだとあった。この言葉が衝撃的だった。ずっと彼女のおもちゃという言葉が頭にあった」と、案里氏の言葉がきっかけだと話した。
常井は、河井夫妻より上に、不祥事の闇が隠されているという。
「彼女は知らなかったというのは少し違うと思うが、1.5億円の使い道を本人が指示したということはない。党本部の2トップだったり、広島の政界のドンが河井陣営で動いていた。捜査機関のストーリーに則って、報道はされているが、逆に言うと、捜査機関が目を付けない奥の部分、巨悪の部分はあまり新聞テレビではタッチしない。本当は政界の不祥事はもっと根っこの部分にある」
2001年4月に河井克行と結婚した案里は、代議士の妻になるということをこのように感じたようだと常井は話す。
「代議士の妻は、江戸時代のようだ。ヒールを履いてはいけない。夫から三歩下がって歩かなければいけない。男の人より目立たない服を着なければいけない。と案里さんは感じていたらしい。そこの代議士の妻に嫌気がさしたときに、旦那から県議会議員になってみないかと誘われて、それに乗った。旦那は岸田派、宏池会が圧倒的に強い広島の中でマイノリティだった。克行さんにとっては、妻を県政のドンの右腕にすることによって、広島での地位を上げられる。ダブルインカムになることによって、スポンサーが中々取れないが、妻の財布を目当てにできる。それが進んだ時に、岸田派の力が少し弱まって、(当時)安倍総理の側近になった克行さんが力をつけてきた。その時に、広島の勢力構造を変えようと思って、溝手さんではなく、自分の妻を擁立しようとした」
与党内の勢力抗争が広島県内に持ち込まれた形であった。この原因は、安倍総理の第1次政権時代にまで遡る。
「安倍さんにとって溝手さんは敵。安倍さんが第1次政権で倒れたときに、溝手さんは安倍さんを苛烈に攻撃した。それを根に持っていて、いつか溝手さんを倒したいと思っていた」
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