えのきどいちろう「人の思いや情熱はコミュニティの中に残る」
3月25日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)では、コラムニストのえのきどいちろう氏が「新聞記者、本屋になる」と「神林先生の浅草案内(未完)」という2冊の本を紹介し、人の思いや情熱がコミュニティの中に残ることについて話した。
えのきど「台東区の田原町駅の近くに面白い本屋さんがあった。名前は、「Readin’Writin’ BOOKSTORE(リーディンライティン ブックストア)」。店主の落合博さんは、元新聞記者で「新聞記者、本屋になる」という本を出されている。気さくな方で、本屋の中に入っていくと、本当に良い棚なんです。惹かれる本がいっぱいある。イベントは年間100個くらいやってて、下町のコミュニティの中で著者を呼んだりしている」
えのきど氏がこの本屋で出会ったのが、「神林先生の浅草案内(未完)」という本だ。
えのきど「すごくおいしそうな浅草の食べ物が紹介されている本。私の妻は地元が浅草で、食べ物がすごく好きな人なんですが、妻も知らないことばかり書いてある著者が足で稼いだ情報が載っている。書いたのは神林桂一さんで都立浅草高校の国語の先生。職場の若い先生や同僚たちに、浅草の料理を知ってもらうためにミニコミ誌を作って渡していたみたいなんです。好きが高じてあまりにも詳しい浅草案内が出来てしまった。」
この本はタイトルに未完と書かれているが、未完の意味を説明した。
えのきど「タイトルは未完になっていて、僕は未完の意味を知らなかったんです。あと書きを読むと、神林先生、亡くなってたんですよ。だから未完なんです。今、浅草でどんなことが起きているかというと、この本が浅草案内のバイブルになってる。本を持って、本に載ってるお店に行って、お店の人にサインしてもらう。神社巡りの御朱印帳みたいになってる」
最後にこの二人の著者について、えのきど氏はこう話す。
えのきど「お二人は我々と同年代。僕たちは自分が好きなことを突き詰めていく中で、そこに場があったり、コミュニティみたいなものが立ち上がってくる。好きなことをやってるうちに、それが人の心に届いて、神林さんの場合は若い人が神林さんの本を持って浅草を歩いてくれる。それはどんなに素晴らしいことなのかな、と思いました。僕は大いに勇気をもらいました」
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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