『マンガ大賞2022』大賞はどれ? 角川文庫・関口靖彦が注目作を解説『チ。―地球の運動について―』『女の園の星』『ひらやすみ』
3月24日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)には、角川文庫編集部・部長の関口靖彦さんが登場。『マンガ大賞2022』のノミネート作品を紹介した。
『マンガ大賞』には約100名の審査員がいる。
編集者、本屋店員はもちろん、マンガ好きのミュージシャンなど幅広いメンバーで構成されている。
他ならぬ関口さんも、審査員の一人。
特にプッシュしたい作品として、まず『チ。―地球の運動について―』(魚豊/小学館)を挙げる。
天動説が正しいとされていた時代、地動説の真実を追い求めていた人々を描く。
関口「1巻で少年が表紙になっているんですが、登場人物が続々と処刑されて死んでいくんです。一人の人間が主人公になっているのではなく、人から人へと真実が伝わっていく、細くも繋がっていく、『歴史』というものを感じさせます。非常にスリリングで面白いですね」
続いては『ひらやすみ』(真造圭伍/小学館)。
29歳フリーターの男性と、従姉妹の美大生が、一戸建ての平屋暮らしをする物語。
関口「主人公は、道でやたら老人に声をかけられるんです。道を聞かれたり、何かをもらったり。親しくしていたおばあちゃんが亡くなって、平屋を受け継いだところから物語が始まります。すごくいいのが、主人公の彼がまったく焦っていない。『くよくよしても仕方ないよね』と言いながら、今の状態を楽しんでいくっていう。20代の持つ夢とか野望みたいなものは、全然質が変わって来ているんだなっていう、時代を感じる作品ですね。スケールが小さくてもとても大事な幸福感というのを味わえる漫画です」
そして最後に、『女の園の星』(和山やま/祥伝社)。
女子校に務める「星先生」を中心とした。緩いコメディ作品。
砂山圭大郎「どこの本屋さんに行っても、ずっと平積みされてますよね」
関口「そうなんです。すごく人気の作品です。女子高生たちがきゃぴきゃぴしてなくてもえもえな感じでもない、普通のだらーっと雑談しながら歩いてる感じの、妙にリアルな感じが面白いんです」
マンガ大賞の審査員は、性別も世代も幅広い。それぞれ注目作品も異なるそう。
結果をお楽しみに!
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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