プーチン大統領、ルーブルで天然ガスの支払いを求める方向へ その狙いは?
ロシアのプーチン大統領は昨日(2022年3月23日)、ウクライナ侵攻に関連してロシアが非友好国に指定した国へ輸出する天然ガスへの支払いを、ロシアの通貨のルーブルで行わせるよう政府に命じた。3月24日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、これについて木曜コメンテーターでストラテジストの嶋津洋樹氏が寺島尚正アナウンサーと意見を交わした。
嶋津氏「ルーブル安回避へ、外貨入手の可能性を模索」
プーチン大統領は関係閣僚とのオンライン会議で、制裁としてロシアの外貨準備を凍結したヨーロッパとアメリカの決定を不法と批判。
「ロシアを基本的に債務不履行(デフォルト)と宣言したヨーロッパとアメリカに対する輸出品の支払いをドルやユーロで受け取る意味はなくなった」と発言している。
寺島アナがこれについて嶋津氏に見解を求めると、嶋津氏は「実際に外貨が使えなくなっている(獲得できなくなっている)ので、いくぶんかでもルーブルで払って貰えば手元にお金(ドルやユーロ)が届く可能性があるので、そういうことを要求していることもあります」と分析。
また、「わざと西側諸国がなかなか飲めない球を投げることで、裏では『輸出している天然ガスを止めますよ』と言えますから、そういう脅しを含めてということですね」と語る。
非友好国リストとは対ロシア制裁に踏み切った国や地域をリストにまとめてロシア政府が今月7日に公表したもので、アメリカ、イギリス、EUのほか、日本も含まれている。これについて嶋津氏は「(日本からしてみれば)致し方のないこと」と説明。
このような状況でありながらも、ロシアの国営通信社であるイタルタス通信によれば、プーチン大統領は天然ガスの供給を契約に従って継続する考えも示しているようだ。
嶋津氏は「(天然ガスを)何の通貨で支払うのかは契約で決まっているはずなので、いくらプーチン大統領がルーブルで支払えと言っても、実際はなかなか難しい」と指摘するが、「先ほども申し上げたように、『じゃあ輸出を止めるぞ』と脅しをかけて契約を変えられれば、ルーブルが手元にくることで幾分でも外貨に替える可能性があるということですね。ルーブル安を防ぐことも意識していると思います」と、プーチン大統領の輸出国の立場を活かした外交手腕に言及した。
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