地下鉄サリン事件から27年、オウム真理教は今どうなっている?二木啓孝解説
1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件から、3月20日で27年となった。後継団体の「アレフ」など三団体は、昨年全国で80人以上の新規入会者を獲得したことが公安調査庁への取材で分かった。年齢別では、34歳以下が約7割と若い世代が目立った。3月23日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)ではこのニュースを受けて、長きに渡りオウム真理教の取材を続けているジャーナリストの二木啓孝氏が、オウム真理教は今どうなっているのか?解説した。
二木「今、オウム真理教はどうなっているか?というと、3つに分解しました。1番大きいのは”アレフ”。それから上祐史浩という当時の大幹部がやってる“ひかりの輪”。それからアレフから分岐した“山田らの集団”。今、公安調査庁によると3団体で確認信者が1650人。実際はもっといます。これが2020年から少しずつ伸びているんです」
なぜ伸びているのか?
二木「1つは若い世代が多いんですけど、SNSを使って”ヨガやりませんか?”とか大きな書店のスピリチュアル系の本棚にたむろしている若者に”もっとすごいのありますよ”と声をかけて、オウムとは言わないで誘い込む。この時に問題なのが、当時オウム真理教を取材してわかったのが、若い人たちの気持ち、精神の置き所がないんですね。今、コロナで人間関係が希薄になった時に何かの価値観を入れられて興味を持ったというところで入って来る。もう1つ、今の若い人は27年前の凶悪な地下鉄サリン事件の実感がないんです。それで今、少しずつ信者が増えている」
そして、二木氏はオウム真理教が既存の宗教とどう違うか説明し注意を呼び掛ける。
二木「皆さんも注意して欲しいのですが、既存の宗教は信心すればこんなご利益がありますよと人間関係が良くなったり、現世利益で確認できる。一方、カルト教は来世利益。今、現世で修業を積めば、来世でバラ色の未来が広がるというもの。現世で修業を積むために欲望とか親の愛とかを断ち切り、信者だけのコミュニケーションだけで来世を目指す。鬱屈した今の精神の不安に対して来世に期待をかけるのが怖いですよね」
邦丸「孤独を抱える人の中には、誰に頼って良いかわからないという人がいる。中には、学校の担任の先生に出会えたことで救われた人もいる。しかし、誰がどこで自分を導くか?という怖さもありますね」
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。二木啓孝氏は毎週水曜日にコメンテーターとして登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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