吉崎達彦氏「日本の国会演説直前!ゼレンスキー大統領の過去の演説とは?」

吉崎達彦氏「日本の国会演説直前!ゼレンスキー大統領の過去の演説とは?」

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ロシアのウクライナ侵攻からまもなく1ヵ月。なかなか解決策が見い出せない中、エコノミストの吉崎達彦氏は3月22日の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、ウクライナのゼレンスキー大統領の現在の立ち位置や、これまでのオンライン演説などについて解説した。

野村邦丸アナ「24日で行われるG7首脳会議に岸田総理も出席するということですが、ベルギーでしたっけ?」

吉崎氏「ベルギーの首都ブリュッセルです。ブリュッセルでは何とEU首脳会議とNATOの臨時首脳会議とG7首脳会議の全部やるんです。明後日3月24日ってちょうど開戦から1ヵ月目ですよね。その日に合わせて世界の首脳がブリュッセルに集まって、善後策を練ると言う話なんですが、何とその前日、明日の午後6時から日本の国会向けにゼレンスキー大統領のオンライン演説が行われると」

これまでの5ヵ国で行われた演説はどんな内容だったのだろうか?

吉崎「ゼレンスキー大統領のオンライン演説は今まで5カ国でやってるんです。最初は3月8日のイギリスで、これは私すごくビックリしたんですが、シェイクスピアとかウィンストン・チャーチルなどイギリスを代表する人の言葉を引用しながら、『我々は絶対降伏しないし敗北しない』……これチャーチルの言った通りの台詞で決意を示すわけですよ。これは歴史で言うとチャーチルがこの言葉を述べた時っていうのは『ウィンストン・チャーチル』という映画にもなっていて、現題が『Darkest Hour』。一番暗い時って言う意味で、ナチス・ドイツに歯が立たなくて、ダンケルクの戦いから這う這うの体でイギリス軍は逃げ帰って来る。空襲を受けてロンドンはボロボロになっていて、そんな時にチャーチルには秘書の女性がタイプを打ってくれるんだけども、演説を何度も何度も練るんですよね。そうやって訴えるメッセージを作っていく過程を描いた映画なんですが、その言葉をそのままゼレンスキーが使っているんです。彼の今の状態はまさしく『Darkest Hour』なんですよ。もう明日にも危ういかも知れなくって、その覚悟をイギリスの議会向けに訴えて、そこでみんなスタンディングオベーションでウォーッてことになるんですよ」

さらにゼレンスキー大統領のオンライン演説は続いた。

吉崎「その後15日にカナダ、16日にアメリカ、17日はドイツでやったんです。で、特に16日のアメリカ演説は結構評判になって、真珠湾攻撃とか911を取り上げたとか、一番のポイントはウクライナ上空の空域をNATOで飛行禁止区域にしてくれという訴えをしたこと。これに対しバイデン大統領は『出来ない』と言ったんですが、その代わりに軍事援助プラス資金援助も行うことを約束しました。それからドイツの議会向け演説もなかなか物議を醸すようなところで『何でドイツは今まで経済政策重視で、ロシアにビジネスを積み上げて来たんだ!それが結果的にロシアの侵攻の原資になったんじゃないのか?』っていう、ちょっとこの罪悪感をチクチクとつつくようなことを言う訳ですよね」

そして20日にはイスラエルでも行われたが、その内容は?

吉崎「イスラエルに対して何を言ったかと言うと『貴方たちが持っている防空システムは世界最高だと。それをぜひ貸してくれ!』と。そうすればウクライナ人を助けることが出来るし、ウクライナに居るユダヤ人も助けることが出来るって言うんですが、これ本人もユダヤ人ですから、絶大な説得力なんですね。こういうことを今まで5ヵ国に対して言って来て、明日は日本の番ということになるんです。

吉崎氏はゼレンスキー大統領の演説についてこう評する。

吉崎「政治家の言葉としては結構粗削りで、2015年に安倍総理がアメリカでやった戦後70年の演説の様な、細かい部分が良く出来てるってわけじゃないと思うんです。むしろ自分がギリギリの状態に置かれて。服だっていつもあのオリーブ色のTシャツですが、どう見ても洗ってないですよね?で、無精髭だし。それはもう戦時下で当然だし、国民も見ているわけですから、あんなところにピリッと糊のついたYシャツで出て行ったらそれこそ場違いになっちゃうし、あのスタイルっていうのが独創的なんだけど、よく「narrative(ナラティブ)」と言う言い方をするんですが、物語全体を規定しちゃってるんですよね。この後ロシアがもう何をやっても挽回不能な位、物語の大勢が出来ちゃってる。ゼレンスキーさんっていうのは元々コメディアン出身で、確かにパフォーマンス能力はすごく高いけど、戦争始まる前は結構支持率も低かったんですが、面白いことに『大化け』しちゃったんですよね」

果たして、国難で化けたゼレンスキー大統領が明日、日本の国会でどんなことを言うのか注目したい。そして、来週はいよいよ「くにまるジャパン極」での吉崎氏のご出演は最終回。こちらにもどうぞご期待ください!

 

 

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。吉崎達彦氏はコメンテーターとして毎週火曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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