年金生活者に5000円案…大谷昭宏「場当たり的な政策、根本的な解決にならない」
岸田総理は3月17日の参議院予算委員会で新型コロナウイルス感染拡大の影響で受給額が減る年金生活者らに1人当たり5000円を支給する案を巡り「様々な状況をしっかり見た上で検討したい」と話した。
3月21日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、このニュースを受けてジャーナリストの大谷昭宏氏は「根本的な解決にならない」とコメントした。
大谷「またしてもかという感じがします。選挙前にお金を配るというのは、悪く言えば国の税金を使って明らかに人気取りをしている。自腹でやってるわけじゃないですよね。5000円というお金は貴重だと思いますけど、どれくらい年金受給者の方々の役に立つのか?効果は薄いと思うんですね」
野村邦丸アナ「受け取る方からすると、確かに欲しいけども他に回しようがある。共同通信の調査を見ても半数以上がおかしいよねという声がある。コロナに対する支給金とは全く違う、意義がないように思えますね」
大谷「今回、年金受給者の受け取られる金額が0.4%減る。1回で200円くらい減る。そのことに関して、なんで減らすんだという声が上がっているかというとそうじゃないわけですよね。他に使ってよという声が多いわけですよね。それを配りましたと言っても根本的な解決にならない。なんで減らさなきゃいけないか?といったら若年世代が年金受給者の負担に耐えられなくなるから。日本はこの30年で100万円~200万円ほど平均年収が減ってるわけです。世界でこんな減り方してるのは日本だけ。OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で日本の平均賃金は22番目。貧困国になってしまってるわけです。こういうことを根本的に解決しないと5000円配りますとやったところで息が続くわけがないと思うんですね」
邦丸「根本的な解決にはならない支給案ですね」
大谷「OECDの中で少なくともベスト10に入るくらいの給料が出せるようになる政策が必要です。野党は5000円はないだろうと反対するだけでなく、なぜ給料が上がらないのか?我が国が抱えている経済的な問題を正面から出していくべきだと思います。5000円をきっかけにみんなで考えていけたらと思うんですね」
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。大谷昭宏氏は月曜日にコメンテーターとして登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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