親ガチャは毒親から逃れるために生まれた言葉…大空幸星氏と孤独について考える

親ガチャは毒親から逃れるために生まれた言葉…大空幸星氏と孤独について考える

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3月18日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)に、NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星氏が出演した。「あなたのいばしょ」は、24時間365日無料・匿名でチャット相談でき、「信頼できる人に確実にアクセスできる社会の実現」と「望まない孤独の根絶」を目的に設立したものだ。今、ロシアのウクライナ侵攻や宮城県と福島県で震度6強の揺れを観測する地震などから、多数の相談が寄せられているという。番組では、野村邦丸アナと大空幸星氏が孤独問題について話し合い、「親ガチャ」や「自己責任」が誤って認識されていることを問題視した。

野村邦丸アナ「今、あなたのいばしょに相談が急増しているそうですね」

大空「(16日の震度6強の)地震の時にはかなり増えました。例えば、震災を経験された方がそういうことを思い出してしんどいとか、揺れてない地域であったとしてもニュースを見てしんどくなるとか。あと、ウクライナの戦争のニュースを見て、心が苦しいという相談も増えています。TVやSNSから少し離れるとか、音量を小さくするとか、そういう方法もありますよといったことを相談の中でお伝えしています」

大空氏によると、相談者の中には、人に頼ることは恥ずかしいという人もいるという。そういった人に対して大空氏はこのようなことを伝えている。

大空「孤独というのは誰もが感じることです。誰かに頼るというのは普通のこと。お腹が空くとご飯を食べる。同じように孤独というのは、社会的なつながりを人間が欲している生理的な現象だから、孤独を感じたら人とつながりましょうといったことを発信してます」

邦丸「昨年、”親ガチャ”という言葉が話題になりました。ガチャガチャと同じように、自分で親は決められないということですよね。これについて、言いたいことがあるそうですね」

大空「親ガチャって、何言ってるんだ。親を選べないのは当たり前じゃないかという批判がたくさんあったんです。だけど、私自身もそうだったんですけど、毒親という言い方をしますけど、親から虐待を受けているとか育児放棄されてるとか、親が親としての役割を果たしていないのは事実なんですね。子供は親から”お前のせいだ”といった言葉を毎日投げかけられ、自分が生まれてきたのが悪い、自分のせいだと思っちゃうんです。そうした時に親子の関係は偶然なんだ、自分が悪いわけじゃない、という自業自得のような自己責任から逃れる一つの言葉が親ガチャなんです。当事者たちが生きていくために紡ぎ出した言葉だったんです。それがメディアによってカジュアルに広がることでそういう批判を受けてしまった」

邦丸「救いの言葉だったわけですね。3月に大空さんが出された本”望まない孤独“の中で書かれているのが懲罰的自己責任論。自分が悪いんだ、だから自分に責任があると思い込んで結局最終的に自ら命を絶つ、そういう人たちが増えている。懲罰でもなんでもないわけですもんね」

大空「自己責任の持つ意味合いというのは、本来誰かに対して手を差し伸べるボランティアの文脈の中からアメリカなどで語られた言葉でした。これが日本に入ってきて心中主義的な考え方がすごく広まった時に自己責任という言葉が自業自得に近いような懲罰的に捉えられるようになった。これは責任を否定しているわけでなくて、人間が自分が選択した結果の連続として人生を歩んでいる。すなわち、起こり得ることというのは、自分の選択の結果であるんですけど、それが本来は自己責任。決して自業自得の意味じゃない。これがなかなか広まってないんです。子供も大人も何か悪いことが起こったら自分のせいなんだと思ってしまって誰にも相談しない」

邦丸「大空さんが今後、国に対して求めることはありますか?」

大空「孤独・孤立対策担当大臣のポストはありますが、ここからなんですね。ちゃんと法律を作って予算を付けて調査していくということ。当たり前のことなんですけど、これがすごく重要だと思います」

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