寿司を超えた!?日本食=ラーメンの人気とは_ラーメンの可能性とは?
様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。
2022年2月28日と3月7日の放送では、お笑い芸人で「鬼そば藤谷」店主のHey!たくちゃんと、デザイナーでイラストレーターの青木健さんにご参加いただき、「ラーメンの可能性とは?」について熱いトークが繰り広げられました。
醤油を使ったこと、魚介素材を使ったこと、麺に縮れを加えたことの3点が、日本のラーメンのアイデンティティーの特徴です。自由度が高く、お客さん一人一人がある程度幅を作れることが、日本文化のラーメンです。そして、定義することが難しいラーメンをあえて定義すると「常に新しくなる麺料理」だと考えています。
2019年12月初旬に、中国武漢市で1例目となる感染者が報告されて以来、パンデミックとなり今なお世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症。中国政府により2020年1月27日から国内に加え海外への団体旅行等が禁止されたことを皮切りに、多くの国で政府による入国制限や海外渡航禁止等の措置が講じられてきました。これにより世界的に旅行者の往来が大幅に減少したことは周知の事実でしょう。もちろん我が国も例外ではなく、2019年には過去最多の3188万人の訪日外国人旅行者数を記録していましたが、2020年は412万人と大幅な減少となっています。
外国人観光客が日本に期待することとは
上述の通り訪日観光客が大幅に減少したことにより、観光産業は大打撃を受けており、1日でも早い新型コロナウイルスの収束と観光客数の回復が期待されています。では、今後訪日観光数を回復させるにあたり、日本のどこをPRしていけばより効果的なのでしょうか。
観光庁が訪日外国人観光客に対して行った調査によりますと、「訪日前に期待していること」1位は「日本食を食べること」で70.5%でした。
和食ブームは以前からも起きていましたが、2013年に和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことも追い風となり、日本食への注目が高まっています。また2019年度版ミシュランガイド東京版で、三つ星獲得数および星の総合獲得数ともに東京が第1位だったことからも、世界からの日本食の評価の高さが伺えます。
なお、ランキング第2位は54.4%で「ショッピング」、3位は「自然・景勝地観光」、4位は「繁華街の街歩き」、5位は「温泉入浴」と続いています。
意外な!?日本食人気ランキングとは
日本食といえば、まず頭に浮かぶのは寿司・天ぷらなどでしょうか。同様に外国人が好きそうな日本食として、寿司や天ぷらを想像する人も多いでしょう。では、実際に訪日外国人客が満足した日本食とは何なのでしょうか。
こちらも観光庁が2018年に年間を通じて全国各地の空港や港の出国ロビーにいた訪日外国人旅行者に対して行ったアンケート調査によりますと、「最も満足した飲食」第1位は「肉料理」23.9%、続いて第2位「ラーメン」19.9%、第3位が「寿司」の16.9%と少し意外な結果となっています。特に寿司よりラーメンが高い順位となっていることに、驚かれる方も多いかもしれません。
なお、ラーメンに満足したと選んだ人のうち、93.9%が「美味しい」を理由に選んでいます。やはり日本のラーメンは格別ということでしょうか。
世界に広がる日本食ラーメン
海外でのラーメン人気は凄まじく、「日本食レストラン=ラーメン屋」となりつつあるとも言われています。特に爆発的人気となっているのが、アメリカやヨーロッパで、アメリカに出店するラーメン店は300店を超えているそうです。一風堂や一蘭といった日本の人気チェーン店も数多く進出していますが、その逆もあることをご存知でしょうか?
その例として、アメリカのサンフランシスコで人気を博し、日本に逆輸入された新宿のラーメン店「MENSHO SAN FRANCISCO」があります。「麺や庄の」の海外進出店で、ミシュランガイドサンフランシスコ版でも選ばれるほど、人気と実力があるお店のようです。
このように、日本から羽ばたいたラーメンが、その土地の文化を吸収し、新しいものとなってパワーアップして戻ってくることが起きているのです。
まとめ
世界でのラーメン人気、そしてラーメンの持つ力はおわかりいただけたでしょうか。ラーメンの可能性に大きく期待したいですね。
ゲスト紹介
Hey!たくちゃん
ケイダッシュステージ所属のお笑いタレント。アゴモノマネを引っさげてエンタの神様など数々のネタ番組に出演した後、ラーメンの世界へ。
2012年に独立し、渋谷に「鬼そば 藤谷」をオープン。これまで大つけ麺博2016ラーメン部門優勝、2019年にはニューヨークラーメンコンテストで優勝するなど、コンテストでも高く評価される。
青木健さん ラーメン業界を専門に活動するデザイナー、イラストレーター、漫画家、エッセイスト。これまでラーメン凪グループ、Japanese Soba Noodles 蔦など、数多くのロゴデザインを手がける。また、東京で最も美味しいラーメンを決める「東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー」の審査員を担当。さらに今年1月には光文社から『教養としてのラーメン ジャンル、お店の系譜、進化、ビジネス――50の麺論』を発売。
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