金子勝「日本にとってすごく大きな問題」ロシアとのガスの共同開発プロジェクトサハリン1・2とは?
3月4日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)で、『大竹紳士交遊録』に経済学者の金子勝が登場し、ロシアのウクライナ侵攻による日本への影響を語った。
ロシアのウクライナ侵攻のニュースを見ていて、思うことがあるという金子。まずは、その前段から話してくれた。
「恐ろしいことは、核兵器を使うとおどかしたこともそうだが、原発を攻撃していること。被害は単に電力を止めるだけでは収まらない。イギリスの研究によると、ロシア軍は士気が低くて、作戦も知らされていない。ウクライナ人はみんな必死だから士気が高い。難民高等弁務官事務所によると、難民の数は100万人を超えている。ほとんどが女性と子供。男性はほとんど闘っている。分析官によると、あと数日間の戦いの趨勢を握るのは、ポーランドからの物資が届くかどうか。それゆえに、ロシア軍は追い込まれていてやることが野蛮で残忍になっている。2000人民間人が死んでいる。これ、完全に戦争犯罪。国連総会の特別総会が40年ぶりに開かれて、ロシアへの非難決議案に141か国の賛成があった」
これらの状況を踏まえて、日本は何をしているのか。大きな問題があるという。
「すごく大きな問題は、サハリン1・サハリン2。いわゆるガスの共同開発プロジェクト。アメリカの石油大手エクソンモービルがやっているのがサハリン1。イギリスの石油大手シェルがやっているのがサハリン2。サハリン1に出資しているのが経産省、伊藤忠商事、丸紅。サハリン2は東京ガス、三井物産、三菱商事。岸田首相はエネルギー安全保障のために撤退しないという発言をした。はっきり言えば、問題は2つある。一つは、現在のロシアの様な危ない国にエネルギー的に依存するということは安全保障になるのか。もう一つは、この戦争を止めるために全力を挙げないと、次は台湾とか世界大戦に近いことが起きうるときちんと考えて、断固拒否しないといけない。このプロジェクトを続けていたら、国際的なビジネスはできなくなる。早くやめるのが、プーチンを止めるのと同時に、ビジネスでも大事」と声を上げた。
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