ビットコイン価格急騰! 「金融制裁の抜け穴」と欧米政府は懸念
日本、アメリカ、ヨーロッパによるロシアへの金融制裁の影響で、ビットコインを中心に暗号資産が急騰している。3月3日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターの嶋津洋樹氏と、寺島尚正アナウンサーがこの背景に迫った。
嶋津氏「プロの投資家がビットコインの動きに注目」
ビットコイン価格の急騰は、ロシアのルーブルをはじめ海外の取引が制限された通貨の代替になっていることが背景にある。欧米の政府はこの現状に対し、制裁の抜け穴になるとして売買の制限を要請しているが、多くの交換所がその要請を受け付けていない。
寺島アナは、「昨日の1ビットコインの価格は日本円でおよそ506万円。国際銀行間の送金決済システムのSWIFTからロシアの一部銀行を排除することが決まった2月26日と比べて13%上昇しています」とビットコイン価格の動きを説明。
「ビットコインが急騰していますが、これはやはりウクライナ問題が関係しているのでしょうか」と、嶋津氏に質問した。
すると嶋津氏は、興味深い現象として次のように解説する。
「暗号資産や仮想通貨がどういう性質を持っているのかがわかってきます。当初この戦争やアメリカの利上げが始まった時に、暗号資産は下落したんですよね。これはつまり株と性質が近いリスク資産として認識されているので、利上げや戦争が起こると売られたという状況だったのですが、ここに来て改めて買われているということはリスク資産というよりは安全資産としてマーケットの人たちが認識している部分があるということです」(嶋津氏)
さらに、嶋津氏はこう続ける。
「今後(ビットコインが)どのような動きをするのかで機関投資家やプロの投資家が仮想通貨を運用資産に組み入れていくのかどうかを決める動きにつながると思っているので、今後の推移は単純に上げ下げだけでなく、会社としても個人としても興味を持って見ているところがあります」と、自身の関心事を述べた。
寺島アナは「暗号資産自体がどういう立ち位置にいるのかということなんですね」と驚きを隠せない様子で、「それがわかっていなかったので、そういう意味では新しい実験台なんですよね」と話す嶋津氏。
現在、金融制裁でロシアの通貨、ルーブルが外貨と交換しづらく、戦火のウクライナでは銀行の送金が難化、影響が及ばない暗号資産に資金が向かっている。
しかし、この流れは制裁の抜け道になると懸念されている。バイデン政権は「制裁回避に暗号資産が悪用される状況に積極的に対処する」と表明しているものの、規制には否定的な交換所が多い。
「規制の動きも、投資家が投資するのかも含めて、興味深いところではありますね」と、嶋津氏のコメントでこの話題を終えた。
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