吉崎達彦氏「停戦協定は持ち越しに!気になるのはプーチンの精神状態」
ロシアとウクライナの停戦交渉が28日、ベラルーシとロシアの国境付近で行われ、双方は「対話の継続」で一致した。エコノミストの吉崎達彦氏は3月1日の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、この1週間の動きやプーチン大統領の「変化」、そして各国首脳の動きなどについて語った。
野村邦丸アナ「今回この交渉、私ちょっと意外だったのはロシア側もちゃんと話をしようと。今まで一歩も譲らないってことしか言ってなかったイメージがあったんですが、ある程度歩み寄りとまでは言えないにしても、話をしましょうよってことで交渉はこの後も続けるとのことですが」
吉崎氏「明らかに当初の予定が狂っていると思うんです。先週の木曜日の時点で、開戦だって話を聞いた瞬間に「まあキエフは3日ぐらいで陥落かな』っていう感じが多分、相場的にあったと思うんですが、ただ、これで5日以上粘っているわけですよ。しかもこの間にウクライナのゼレンスキー大統領はどんどんどんどん化けて、英雄みたいな感じになっちゃってますよね。で、世の中にはほら、去年の夏のアフガニスタンのガニ大統領みたいにお金持って自分が逃げちゃうとんでもない人がいるけど、あの人は『俺はここを動かないぞ』と言って『みんな、戦ってくれ!』と言って、どうかすると『外国人で来てくれる人、歓迎するぞ!』と言って、しかもウクライナ軍結構強いから、思ったほどロシア軍は進軍出来ないですよね」
邦丸「日本の岸田総理もロシア中央銀行を制裁対象に含めますよと表明しましたが、これはどんなことがロシアにとってダメージになるんですか?」
吉崎「一応ロシアは外貨準備6000億以上持ってるってことになっているんですが、各中央銀行が持っている外貨準備っていうのは、一応IMFの届け出がそれだけだっていう話であって、何もモスクワの金庫に全額入っているわけじゃないんですよ。ですから金塊ぐらいは手元に置いてあるかも知れませんけど、ドルとかユーロの資産っていうのは、おそらくかなりの部分がよその国にしまってあるはずなんですよね。それが動かせなくなるっていうのはもう、通貨防衛の介入も制限を受けるっていうことですよね。これ、相当な混乱が起きますよね、これだけやったら」
邦丸「私、先週吉崎さんがおっしゃってて、ずーっと気になってたんですが、ここのところ数日間で出てきているのは、ウラジミール・プーチンおかしいんじゃねえか?って話。ロシアの専門家で笹川平和財団主任研究員の畔蒜泰助(あびるたいすけ)さんの発言など見てみると、言葉は選びつつも『それまでのプーチンとは明らかに違う、常軌を逸している、精神状態がかなり混乱しているんじゃないか』っていうんですが?」
吉崎「これはフランスのマクロン大統領が会見した時に、過去のプーチンとちょっと違うぞと言うコメントがフランス政府から漏れてたっていうことと、今、邦丸さんが言われた畔蒜泰助さん、彼は何度も国際会議でプーチンさんに直に質問したことがある人で、結構プーチンさんを近い場で見てるんですよ。その彼がそういう風に言うっていうのは、かなり信憑性高いのかなって思います」
邦丸「今プーチンは世界一孤独なんじゃないかって表現する人もいますが、ただクレムリン内部でもちょっとマズいぞこのままではって、我々のような一般国民の皆さんの中でもウクライナの心配するよりは自分たちの国おかしいぞって思う人が出て来てもおかしくないですよね」
吉崎「やっぱりプーチンさんのお友達で、オリガルヒと呼ばれるロシアの新興財閥の人たちがプーチンさんを止めることが出来るかという話になってくるかと思いますけどね」
世界から孤立するプーチン大統領とは対照的に、各国の首脳がたくましくリーダーシップを取り始めていると吉崎氏は語る。世界の人々が力を合わせてこの状況を少しでも改善し、一日も早く平和な日々が戻ることを期待したい。
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。吉崎達彦氏はコメンテーターとして毎週火曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。