ジェフ・ベゾスに学ぶミッション・ビジョン・バリューとは_ビジョンの力
様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。
2022年2月14日と2月21日の放送では、株式会社イノカCEO高倉葉太さんと、翻訳家の関美和さんにご参加いただき、「ビジョンの力」について熱いトークが繰り広げられました。
社外に対しては、作りたい世界をいかに伝え共感者を集めていくことが、とても価値のあることだと思います。社内に対しては、それぞれにやりたいことが出てきた時、社内の意識の統一という意味でとても大事です。あとは、呪文のように同じことを繰り返し伝えていくことが大切です。社内外問わず、短い言葉、同じ言葉で、同じことを繰り返し使っていくと良いでしょう。
ビジネスシーンで「ビジョン」という言葉を耳にする機会は多いと思います。企業にとってのビジョンとは、未来を描く上で必要不可欠な存在です。それは実現したい未来の在り方であり、企業として目指す行き先です。企業として進むべき共通の方向を定めることで、個々が自由に動くことができ、組織が柔軟に変化し、結果企業の発展に繋がります。
またビジョンを世の中に向けて設定することで、お客様に共感してもらい、応援される企業へと成長します。優れた企業、成長していく企業には、良いビジョンがあり、そこには実現したい未来が明確に記されています。
ミッションとは
ミッションは、ビジョンを考える上で欠かせない存在であり、ビジョンを設定する上でとても重要になってきます。
ビジョンを「実現したい未来の在り方」と説明しましたが、ミッションは「日々果たすべき使命」だと考えています。この日々の使命であるミッションを遂行し続けた先に、実現したい未来が待っているのです。経営陣はビジョンを先行して考えがちですが、達成するべきミッションがあってこそのビジョンだということを認識する必要があります。
バリューとは
ミッション、ビジョンに加えてもう一つ大事になってくるのが、バリューです。バリューとは「企業が社会に対して提供する価値や強み」です。
ビジョンの実現、そのための日々のミッションを達成していくためには、社員が仕事の価値や仕事に対する姿勢を理解する必要があります。自社の価値基準を明確にすることで、社員も企業が与える価値や強みを理解することができます。
Amazonのビジョン
世界的に有名な企業の1つであるAmazonは、どのようなビジョンを掲げているのでしょうか。
Amazonが掲げるビジョンは「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」です。
従業員全ての行動、判断の軸として定められているプリンシプル14項目のうちの1つ目には、
“Customer Obsession(カスタマーオブセッション):リーダーはお客様を起点に考え行動します。お客様から信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合にも注意は払いますが、何よりもお客様を中心に考えることにこだわります。”
と書かれています。
ジェフ・ベゾスの名言
Amazonは、1994年にジェフ・ベゾスによって設立されました。世界最大のECサイトを運営していることは有名で、日常生活に必要なあらゆるものを購入できる、今やなくてはないものとなっています。そんなジェフ・ベゾスの名言を1つご紹介したいと思います。
「変わらないものを軸に戦略を立てよ」
ベゾスは「10年後に何がどう変わっているか」より「10年経っても変わらないもの」が大切だとしています。Amazonのビジネスを例にすれば、「価格」「スピード」「品揃え」の3つは小売にとって非常に重要な要素です。10年後に顧客が「もっと値段を高く!もっと遅く配送して!品揃えは少なくして!」なんて言うわけがありません。ベゾスはこの3要素、「価格はより安く」「配達はより迅速で確実に」「選択肢はより多く」を顧客が変わらず求め続けるものと定義し、すべての戦略を立てました。変わらないものに軸を置かなければ、長期的な成長は望めない、変わらないものこそビジネスを支える根幹になるとしています。
まとめ
優れた企業には、優れたビジョンが存在します。明確なビジョンを掲げ、それをどうやって体現していくのかを日々模索し、ミッションを遂行し、やがて大きな未来を描く新たな力に期待しています。
ゲスト紹介
高倉葉太さん
東京大学在学中の2016年に、ものづくりサービス会社Makershipの創業メンバーとして参画し、最高執行責任者COOに就任。2019年4月には、環境移送企業イノカを設立し、代表取締役に就任。2022年2月16日には、人工的にサンゴ礁の海を再現した水槽内で通常6月にしか産卵しないサンゴの産卵に世界初成功。
関美和さん
大学卒業後、広告代理店電通、外資系証券会社スミス・バーニーを経て、ハーバードビジネススクールでMBAを取得。その後、モルガン・スタンレー投資銀行を経て、クレイ・フィンレイ投資顧問東京支店長に就任するなど、華々しいキャリアを経験。退職後は翻訳家に転身。翻訳の仕事と並行して、昨年Mパワー・パートナーズ・ファンドというベンチャーキャピタルを共同で立ち上げる。「MAKERS 21世紀の産業革命が始まる」(クリス・アンダーソン著/NHK出版)や「FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」(ハンス・ロスリング 、 オーラ・ロスリング著/日経BP社)など数々のヒット作の翻訳を手がける。ダイヤモンド社から好評発売中の「Invent & Wander-ジェフ・ベゾス Collected Writings」の翻訳も担当。
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