プーチン大統領、ウクライナ東部の独立承認…二木啓孝「ロシアは膨張国家を目指している」
ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の2地域の「独立」を一方的に認めた。
2月23日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、このニュースを取り上げ、ジャーナリストの二木啓孝氏はプーチン大統領の思惑を推測した。
野村邦丸アナ「ウクライナの東側の2つの州、ドネツク州とルガンスク州の独立をロシアが一方的に承認した。とうとうやっちまったな、プーチンという気がしますが、二木さんいかがですか?」
二木「ロシアというのは、帝政ロシア、旧ソ連と膨張することが国是(国家の方針)の国だった。22日プーチン氏のドネツク、ルガンスクの独立についての演説では55分のうち30分以上がウクライナの歴史についてしゃべっているわけです」
ここでプーチン氏はどういうことを話しているかというと…
二木「レーニンとその同志がロシアの歴史的領土を切り離してしまったんだ。それ以降、持続的な国家は形成されていないんだ。旧ソ連の分離独立は幻想であり、ウクライナの独立は認められないと言っている」
このプーチン氏の言葉、二木氏がどういう意味か?解説する。
二木「レーニン、スターリンと続いた中で、最後、旧ソ連が崩壊して、ゴルバチョフ氏がそれぞれの国を独立国家共同体(CIS)に認めたわけです。前の共産主義国家の時はあらゆる民族よりも階級の方が上だということで、労働者階級の国を作る意味で言うと、民族や場所は下に置かれるんだという考えなんです。それが社会主義国家、労働者階級国家がなくなった時に独立した。それをプーチン氏は帝政ロシア、旧ソ連から一貫した膨張主義の国ということをもう1回持ち出して、我がロシアという国は独立した国は認められない。それに加えて、アメリカにはロシアのような大きな独立国家はいらないはずだ、と言ってるわけです」
さらにこう続ける。
二木「ロシアは2000年に入ってから経済が良くなった。永久大統領も決まった。そうなると、政治的、経済的にも安定を取り戻してさあもう1回、昔の膨張国家としてのロシアをもう1回作るぞ!そういう思いが一貫してあるのでしょう」
邦丸「先日、報道番組見ていたら今までNATO(北大西洋条約機構)に加わらなかったスウェーデン、フィンランドがNATOへの加盟を検討し始めている。プーチン氏からするとお前らがその気だったら本当にやるぞという感じになっちゃうんじゃないかな?」
二木「そういう風にしてプーチン氏はドツボに入ってると思うんですが、ところがこの問題が出てきてからプーチン氏の大統領の支持率は上がってるんです。ほらみろ、大ロシアというのは国民が望むことなんだという風に思っているんでしょうね」
邦丸「プーチン氏からすると、元々ロシアなんだからという言い分はわかりますよ。けれども、今は独立国家なわけじゃないですか。そうなると国家に主権があって、国家の領土にズカズカと入り込むのはとんでもないことじゃないかとバイデン氏を始め、ヨーロッパのトップが言うのもわかるんです。いずれにしてもまだまだ緊張状態が続きそうですね」
「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。二木啓孝氏は毎週水曜日にコメンテーターとして登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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