緊迫するウクライナ情勢―ロシアによるウクライナ侵攻のシナリオは?~2月18日(金)斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI!
アメリカのバイデン米大統領は17日、ロシアによるウクライナ侵攻の脅威が非常に高く「近日中に起こる可能性がある」との認識を記者団に示した。斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI」のメイン・コーナー「ニュースサキドリ」では、元幹部自衛官で軍事評論家の数多久遠さんに電話を繋ぎ、ロシアがウクライナに侵攻した場合のシナリオについて話を聞いた。
アメリカとロシアの情報発信を見ていると、アメリカの方が危機感を煽っているようにも見えるが、軍事の専門家の目から見てどう思うか?
アメリカの情報発信は、ロシアが2014年にクリミア半島に侵攻した時の反省に基づいて行われている。この時アメリカは情報収集能力が明らかになってしまう事を恐れて情報発信を控えてきた。その結果、国際世論をロシア非難に向けさせる事が出来ず、ロシアによるクリミア半島併合を招いた。今回はその反省に基づき、ロシアの侵攻を抑止する目的で、情報発信を行っている。アメリカが侵攻を予告する事で、ロシアはその通りの行動を取りづらくなっている。もしアメリカが情報発信していなかったら、恐らく当初予想されていた16日前後に侵攻が始まっていたと思う。
ロシアが軍事侵攻する場合、どのような口実を使う事が考えられるか?
今盛んに、新ロシア派がウクライナ軍から武力攻撃を受けたと偽装する作戦、偽旗作戦が取りざたされているが、ブリンケン国務長官はこのロシアの偽旗作戦に、化学兵器が使用される可能性を指摘している。またロシアのメディアは以前からウクライナがジェノサイドを行っていると虚偽の報道を行い、このような事をするならウクライナの都市を無差別攻撃しても構わないと言う世論を形成しようとしている。
万が一、ロシアがウクライナに侵攻した場合、軍事的にはどのような展開が考えられるか?―ウクライナはNATO(北大西洋条約機構)非加盟国なので、NATOやアメリカが直接軍事介入する事はあり得ない。ウクライナは単独でロシアと戦うことになるが、圧倒的な軍事力の差でロシアに屈する事になるのは明らか。
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